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09.同等価値 ページ9

ルチル「閻魔様は何の用だったんですか?」

鬼灯「白澤とシンシャさんが転生したそうです。早く地獄に戻って見に行きましょう」

鬼灯はルチルの手を取って家の外に出ようとする

ルチル「え?ここにある身体はどうするんですか?」

鬼灯「そんなのただの亡骸なんだから放っておけばいいです」

ルチル「いやいや。このままここに置いておいたら腐敗が進みますよ?
お墓とか作らなくてもいいの?」

鬼灯「墓なら後で作ればいいです。それとも、ずっとここに居たいんですか?」

ルチル「もう少し別れを惜しませてくれませんか?」

鬼灯「そんな事を言っていると、火車さんの食事の邪魔ですよ」

ルチル「?…食事?」

火車「食べて良い?」

火車はベッドで眠る白澤とシンシャの亡骸を瞬きもせずに見つめ、舌舐めずりをする

鬼灯「ルチルさんが見ている間はまだダメです。人が食べられるのにはトラウマがあるんですから」

火車「私はこれを楽しみに手伝ったって言うのに」

ルチル「火車さんは…二人の亡骸を食べるんですか?」

火車「あぁ。人間の身体が何よりのご馳走だよ」

ルチル「二人は毒に侵されているんですよ?」

火車「そんなの関係ないね。亡骸に良いも悪いも何もない。
ただ魂が入っていただけの入れ物にすぎないんだ。生前の事なんか私は知ったこっちゃないよ。
死んでしまえばそれまで。私はどんな亡骸だろうと平等に美味しく頂くよ」

ルチル「有害物質を摂取するのが怖くないんですか?」

火車「言っただろう?私からしたらどれも価値は一緒なんだ。
危険を冒すぐらい刺激的な方が面白味があっていいじゃないか」

鬼灯「ルチルさんに亡骸を食べる話は…」

ルチル「火車さん。私の亡骸も食べてくれませんか?」

鬼灯「…え?」

火車「いいよ。どこにあるんだい?」

ルチル「廃墟と化した研究施設の地下にあります」

火車「じゃぁここが片付いたら行くとするよ」

ルチル「ありがとうございます」

火車を残し鬼灯とルチルは家を後にする

鬼灯「ルチルさん?」

鬼灯は心配そうにルチルの顔を覗き込む

鬼灯「火車さんにあんなお願いをして良かったんですか?」

ルチル「副作用だらけで無駄に長生きした私の身体を必要としている人がいるんです。
だからいいじゃないですか」

鬼灯「しかし…」

ルチル「火車さんは私を皆と同じ亡骸として見てくれるんです。
私が最後に皆と同じ扱いを受ける事が出来るんです。こんな幸せな事…生まれて初めてですよ」
2014.11.14

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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年10月20日 19時

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