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08.転生 ページ8

泣いているルチルさんを慰める事も出来ず、私はただ立ちつくすだけ

気まずい沈黙の中、突然私の携帯電話が鳴る

トゥートゥートゥー トゥルルルットゥルー♪

この音はどこかで聞き覚えがあるような…

ルチル「…ポケモンが…無事進化しましたね」

一子と二子の悪戯だろう

こんな恥ずかしい着信音にして、どう説教しようか悩んだ

しかし、この着信音でルチルさんが泣きやんだので今日は大目に見ることとしよう

鬼灯「私はゼニガメとフシギダネの進化は断固阻止します」

ルチル「わかります。ニドラン♂♀とか、技覚えなくていいから可愛いままでいて欲しかった。
でも…」

鬼灯・ルチル『コイキングだけは早く進化して欲しかった』

こんな所で初代ポケモンの話で盛り上がるとは思ってもみませんでした

トゥートゥートゥー トゥルルルットゥルー♪

ルチル「いつまで進化させてるんですか?それは着信音ですか?」

ルチルさんに言われて初めて、私は懐から携帯電話を取り出す

液晶には閻魔大王の名前が映し出されており、私は思わず「チッ」と舌打ちをしてしまった

鬼灯「何なんですか?」

閻魔『やっと出た。でも、電話に出る前に舌打ちしたでしょ?』

鬼灯「…チッ」

閻魔『いや!!?わざわざ言い直さなくていいから』

鬼灯「なんだ。言ってもらいたかったんじゃなかったんですか?」

閻魔『ワシはそこまで君に攻められたいとは思っていないよ!?』

鬼灯「私に意地悪されないのが寂しくて浄玻璃鏡で覗き見してたんじゃないんですか?」

閻魔『皆が見てるんだから誤解を招くような事を言わないでくれる!?』

電話越しにザワザワと騒がしくなったのが聞こえてくる

鬼灯「あぁ。閻魔殿で皆さんが白澤の最後を看取っていたんでしたね」

閻魔『そうそう!その事で電話したんだけど、白澤君とシンシャちゃんが無事転生したよ』

鬼灯「それを早く言えこの薄らハゲが!!」

ルチル「電話の相手は閻魔大王様ですか?」

閻魔『そこで気づくルチルちゃんも酷いけど、ワシの電話を無視してた鬼灯君も酷いよね?』

鬼灯「閻魔大王は私にとってはコイキングです」

閻魔『それって役立たずって言ってるよね?』

鬼灯「そんなことは無いです。能無しって言ってるんです」

閻魔『もっと酷かった!!?』

叫ぶ閻魔大王を無視して私は携帯電話の電源を切った
2014.11.8

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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年10月20日 19時

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