07.後悔 鬼灯 ページ7
白澤が今まで苦しんできた事を思うと、今安らかに眠っている白澤の顔は幸せそうで
これが白澤の為なら良かったのか。と思えた
だから私だけ落ち込んでいてもしょうがないと思った
鬼灯「きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。死んでるんだぜ。それで…」
双子の片割れを無くした時の兄の名言
それで笑ってルチルさんが冷静に返答してくれると思っていたのに
ルチル「私のせいだ…ごめんなさい…」
…なぜ…ルチルさんが泣くんですか?
鬼灯「ルチルさんは白澤と約束をしていたんでしょ?だったら…」
ルチル「でも殺さなくても…もっと私の頭が良ければ…なんでも勉強しておけば…白澤様とシンシャさんを治せたかもしれないのに…」
ルチルさんは誰よりも優しい人だから
例え偏見の目で見られようと、人の為に全力を尽くしてくれる
それが本人に直接伝わらない事でも
ルチルさんは自分自身で気付ける手伝いをしてくれた
だから今の私がある
シンシャさんと初めて会った時だって見た目だけで判断しようとは思わなかった
どんな人なのかちゃんと話をして知ろうと思えた
東洋医学と言う自分の知識があったからシンシャさんを治してあげたかった
ルチルさんのようにシンシャさんに愛情を注いであげたかった
私の場合は…自分で思ったほど、ルチルさんほど上手くできなかったんですが…
鬼灯「元はと言えば…シンシャさんに無理をさせていた私がいけないんです」
ルチル「鬼灯様は悪くないです。鬼灯様が変わったのを白澤様から聞いて私は嬉しかったんです」
鬼灯「しかし…」
ルチル「私は焦ってたんです。皆が助けに来てくれたのが嬉しくて。
廃墟となった研究所を訪れる人は沢山いても、私に会いに来る人はいなかった。
たった1枚の扉を優しく開けようとしてくれる人は誰も居なかった。
それが怖かったんです。寂しかったんです。
久しぶりに白澤様に会えるようになって嬉しかった。
その分抑えていた感情は溢れ出て、また皆に会いたいと思ってしまったんです。
もっとずっと一緒にいたいと欲張りになってしまったんです。
だから…だから…白澤様に協力すると言いながらも、結局私は自分の事を優先していたんです」
ルチルさんは頭を抱え、大声を上げて再び泣き出す
ルチルさんは誰よりも優しい人だから
人を責めることが出来ない
だから自分を責め続ける
でも本当は
知ったつもりで、わかったつもりでルチルさんもシンシャさんも放置していた私がいけないんです
2014.10.23
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時:2014年10月20日 19時