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12.新店長 ページ12

ルチル「…まぁ二人の今後の心配は後でしましょう。
人生何があるかわからないので、無事に育つように見守ってましょうよ」

鬼灯「それもそうですが…」

ルチル「大丈夫ですよ。人間の人生は短いですが、出来ない事なんて無いんです」

ルチルは嬉しそうに鬼灯に向かって微笑む

鬼灯「そうですね」

ルチル「所で私はいつまでこの白い着物を着てればいいんですか?白衣じゃダメなんですか?」

鬼灯「あっ」

閻魔「そもそもルチルちゃんは地獄じゃなくて天国行きなんだけどね」

鬼灯「忘れてました。ルチルさんには極楽満月の後を継いで欲しいんです。
白澤はいないし、桃太郎さんに色々と教えてあげて欲しいんです」

ルチル「私が白澤様の代わりですか?」

鬼灯「白澤からの遺言です。聞いてもらえますか?」

ルチル「喜んで引き受けますよ」
桃源郷
白澤がいなくなったことで極楽満月に出入りする女性は減った

桃太郎「はぁ〜…」

そして、静まり返る店内には今日も桃太郎の溜息だけが零れ落ちていた

ルチル「辛気臭い店ですね。そんなんじゃ治る薬も治らない気がしますよ」

立ち込めた空気を一層するように明るく元気な声が飛び込んでくる

桃太郎「…え?…Aさん?」

ルチル「久しぶりですね。桃太郎さん」

桃太郎「ルチルさん…俺っ…俺っ…」

桃太郎は全速力でルチルに飛びかかると大声をあげて大号泣した

ルチル「ムサいですよ?何をそんなに泣くんですか?」

桃太郎「俺っ…白澤様に何も出来なかった」

ルチル「(あぁ…ここにもこんなに後悔している人がいたのか)
それでも、これは白澤様が望んだ結果だったんです。桃太郎さんが悔やむことはないですよ」

鬼灯(ルチルさんだって後悔して泣きじゃくってた癖に)

桃太郎「でも…」

ルチル「過去ばかり見ていないで先を見ましょうよ?
人間の人生なんて精々100年ぐらいです。白澤様はすぐに死んで戻ってきますよ」

ルチルの言葉に桃太郎は泣き止み、目を丸くしている

鬼灯「ルチルさんは羨ましいぐらい開き直りが早いですね」

ルチル「だって、私が皆にまた再会できたんです。ここで待ってれば必ず会えますよ。
だから、白澤様が戻ってくるまでの間、私達で立派に店を継いでいきましょうよ?」

桃太郎「そう…ですよね。ははっ」

ルチル「と、言う事で。
今日から私が極楽満月の店長ルチルです。改めてよろしくお願いします」

桃太郎「はい。俺こそまたお世話になります」
2014.11.17

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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年10月20日 19時

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