【鬼灯の冷徹】僕らはまだ不完全で (ページ11)

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11.家庭環境ページ11

一子・二子「お帰りなさい」

ルチル「ただいま」

閻魔殿に着くと一子と二子が出迎えてくれた

ルチルは鬼灯から離れて一子と二子を抱きしめてやりたかったが、鬼灯はルチルを下ろさなかった

だから

閻魔「何やってるの？」

鬼灯の腕の中にルチルがいて

ルチル腕の中に一子と二子がいた

鬼灯「ダブル抱っこです」

閻魔「重くないの？」

閻魔の一言を聞いて鬼灯がルチルごと三人を閻魔目がけて投げつける

閻魔「ぎゃぁー!!?」

その勢いで閻魔大王は椅子ごと後方に倒れ込む

鬼灯「今のは閻魔大王が悪いですよ」

閻魔「ごめん!!ワシが悪かったから髭は引っ張らないで!?」

ルチル「相変わらず、閻魔様は無神経な馬鹿ですね」

閻魔「相変わらずってワシがいつも馬鹿みたいじゃない!?」

ルチル「キャハハ。愛すべきお馬鹿さんですよ」

閻魔は倒れたまま、自分の腹の上に座っているルチルの頬を撫でた

閻魔「ルチルちゃんお帰りなさい」

ルチル「ただいま。トトロ」

トトロと聞いて一子と二子が閻魔の腹の上で飛び跳ねる

閻魔「グフッ!?ちょっ…やめっ…」

ルチル・一子・二子「アハハハハハ」

鬼灯「楽しそうですね。私もそのアトラクションに参加していいですか？」

閻魔「とっくに定員オーバーだよ!!」

鬼灯「チッ。で、二人の転生後はどうなったんですか？」

鬼灯は金棒をパンッパンッと手に叩きつけながら閻魔を睨んで威嚇する

閻魔「怖いからその脅す様な態度やめてくれないかな？仮にもワシは鬼灯君の上司なんだけど？」

ルチル・一子・二子(鬼灯様は本気で閻魔様のお腹の上で跳ねたかったんだな)

鬼灯に対する罪悪感を胸に、三人はしぶしぶ閻魔の腹の上から降りた

閻魔「シンシャちゃんの方が先に転生したんだけど、富山県の薬剤師の家庭に女の子として生まれたよ」

鬼灯「富山で薬剤師ならシンシャさんらしい気がします」

ルチル「なんで富山県なんですか？」

鬼灯「越中富山の薬売りと言って、富山では売薬が盛んだったんです。
だから薬剤師も多く、薬の町富山として歴史が深いんです」

ルチル「へぇ～。で、白澤様は？」

閻魔「白澤君は…東京都で個人病院を経営する医師の次男として生まれたよ」

その絶望的な距離感に鬼灯とルチルはフリーズする

ルチル「白澤様らしいと言えば…らしいです」

鬼灯「都会とか医師とか、恵まれた環境に生まれた事が。そして何よりも…」

鬼灯・ルチル「後を継がなくていい自由な次男って言うのが…」
2014.11.17