3話 桃の花弁は鮮やかに ページ4
「はーるとっ! 何女の子の首根っこ掴んでんの。やめな、よ・・・・」
淡紅藤の、綺麗な形をした瞳が、これ以上ないくらいに見開かれる。――――バレてしまった。
これで、私の従属の証のことを知った他人が、2人に増えた。暑熱のせいにしては急激に、汗が滲み出る。その汗は、何だか冷たい。
少女の細い腕が、私の両肩に触れる。どうすればいいのだろうか、といくら考えても答えはでないのに、ひたすら考え続ける頭。
いつの間にか見開いていた目は心配そうに開かれており、不思議な白藍の髪が、頬にさわさわと当たる。何を言われるか怖くて、目を瞑る――と、暖かい彼女の温度が、優しくじわじわと、染み込んできた。
「貴方、色白で可愛いわね。この肌は、言っちゃ悪いけど、従属者だからこその肌かしら? だったら、感謝しなくっちゃ。だって私、褐色の肌より色白の肌の方が好きだもの」
私が、色白で、可愛い?
1秒後は意味は深く頭に刻み込まれ、考えていた頭は、混乱をきたす。
可愛いなんて言われたことがなかったから、迚も新鮮で、何だか心がふわふわする様だった。
全く、と、大天さんは呆れた溜め息をついて、少女の名前を言う。
「彼女は、春坂巴。俺の主であり、今の【ユリア】でもある」
目の前の可憐な、桃の花弁のような彼女は、にっこりと、女でも見とれてしまうような顔で微笑んだ。
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ましら(プロフ) - fruitさん» 返信遅れてごめんね!そう言ってくれて凄い嬉しい!読みにくいし作品はバンバン消すわの私の作品を追いかけてくれるなんて、凄い嬉しいよ。fruitちゃんの優しいところ凄い好き。コメントありがとう! (2017年9月16日 21時) (レス) id: 512c5a6245 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - おおー!またもや面白そうな作品で・・・!この作品も追いかけさせていただきます(^。^)更新頑張ってね!! (2017年7月26日 21時) (レス) id: e09a409b3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましら | 作成日時:2017年1月30日 16時