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診察室に戻って再びベッドに寝かせると、また元気を取り戻したのかグズグズ状態の光。
さっき転んでからは比較的大人しかったのに…
というか放心状態だったかな。
「ん〜…やだっ…んっ…」
「大丈夫、まだやらないから。あっ、そうだ。俺の友達紹介するよ」
そう言うと、俺の後ろから光に見える位置にひょっこり顔を出した圭人。
本当は後輩だけど、今敏感になっている光に医者ってワードは禁句だから友達って紹介した。
「初めまして。宏太先生のお友達の圭人って言います！」
「けいと…」
明るい声で言う圭人を光はじっと見て小さな声で呟いた。
俺に合わせて、“お友達”で通してくれる圭人が空気の読めるやつでよかった(笑)
「そう、けいと。よろしくね」
ニコニコしながら言う圭人に光が嫌がっている様子はない。
とりあえず光は圭人のことを受け入れられたみたいでホッとする。
「よし、じゃあ圭人。アレよろしく」
机の上に置きっぱなしの採血セットを指で指しながら言う。
「え、俺固定する側じゃないんですか？」
意外そうな顔の圭人。力には自信あるって言っていたけど、慣れてる俺と大ちゃんが宥めながらやった方が良いと思ってそうした。
「大丈夫、光の血管分かりやすいから。合図したらパパッとやっちゃって」
「わかりました。注射はわりと得意な方なんで任せて下さい！」
心強い返事をしてくれた圭人。
採血の方は圭人に任せて、俺と大ちゃんはシーツを光の身体にぐるっと巻いて出来るだけ動いても大丈夫なように固定する。
「ちょっとの間だけ、ごめんな」
「あっ…やだ…やめて…っ…」
イヤイヤと泣きながら首を横に振る光を見ると心苦しくなる。
本当はこんなやり方は嫌だけど、前に一度、注射針を刺した時に光が動いて怪我をしてしまったことがあった。
その時は二人がかりで手で固定していたけど、パニックになって暴れる光を固定するには手が足りなかった。
だから、光を怪我から守るためにも一番安全な方法でやらなければならない。でも、それをやる場合は、パニックにならないように、なるべく落ち着かせてからやるようしている。
「あ、そう言えば光、もう腕痒くないの？」
グズグズと泣きっぱなしの光の気を逸らそうと話をふる。
「んっ…さっきよりは…っ…かゆくない…っ」
「そっかそっか。よかった、ぶつぶつ引いてきたんだね〜」
どうやら症状のピークは過ぎたみたい。
ポンポンと胸元を叩きながら光を落ち着かせる。
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TT(プロフ) - ♪尾曲がりニャンコ♪さん» ご意見ありがとうございます。応援、励みになります♪ (2017年3月4日 10時) (
レス) id: a5409a49a2 (このIDを非表示/違反報告)
♪尾曲がりニャンコ♪(プロフ) - 作者さんが分かりやすく書いてくれてるので、今のままで大丈夫だと思います！更新ファイトです！ (2017年3月3日 11時) (レス) id: 79d67a7ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TT | 作成日時：2017年2月25日 0時
