3ー5…おくすり ページ13
日付が変わった頃、そろそろ寝ようかとテレビを消すと、リビングのドアがガチャリと音を立てた。
ドアの方を見ると、光がフラフラしながらこちらにやって来る。
慌てて側に行って支え、ソファに座らせて毛布を肩から掛ける。
「具合どう？」と聞きながら体温計を光の脇に挟む。
嫌がって身をよじるが、がっちり腕を抑えているので、弱った今の光の力では到底叶わない。
「んんっ…っ…っ…んっ…」
「すぐ終るからなぁ。泣かないの〜」
30秒も経たないうちに体温計が鳴った。
見ると、寝る前とさほど変わりのない数字が並んでいる。
「ちょっと待っててね」
そう言って急ぎ足で大ちゃんの部屋へ行き、熱が下がってないことを伝えると、一緒にリビングまで戻る。
大ちゃんには先に光の元へ行ってもらい、俺は冷蔵庫に薬を取りに行く。
「光〜、しんどいねぇ。１回ここにごろんしよっか〜」
そう言ってラグの上に光を寝かせ、毛布を掛ける大ちゃん。
「光？ちょっとだけお薬頑張ろっか」
そう言って、毛布をめくり、横向きに寝ている光のズボンと下着を下げる。
「…ん？…なに…？」
熱で頭が回らないのか分かっていない様子の光。
大ちゃんが固定のために、太ももと腰の辺りを抑えると何をされるのか気づいたようで、ボロボロと涙をこぼす。
「ん〜っ…っ…やだっ…んっ…っ…」
「大丈夫。大ちゃんいるでしょ？」
嫌がる光を宥める役は大ちゃんに任せ、
座薬を入れやすくするための潤滑剤を塗る。
「ちょっと冷たいの塗るからね〜」
「やっ…んっ…」
声を掛けてから塗ったものの、光はぎゅっと身体を縮こまらせた。
大ちゃんに目で合図すると、力が入らないように光に声を掛ける。
「ロウソク消すみたいにふーって息吐ける？」
「…っ…ん…できっ…っ…るよ…」
光が息を吐いたタイミングで、スッと座薬を押し込んだ。
「んー！…っ…やだっ…っ…うぅっ…っ…」
「ごめんな〜、もう入ってくからね」
力の入らない身体を一生懸命動かす光は、声を出して泣き続ける。
「…っ…やだっ…っ…おわりっ…」
「うんうん。終わるからね〜」
座薬が入り切るのを確認し、「終わったよ〜」と言いながらズボンと下着を元に戻した。
「んっ…うぅっ…っ…だい…ちゃんっ…」
「よしよし、頑張ったね〜」
お腹に抱きつく光の頭を優しく撫でる大ちゃん。
やっぱりまだまだ工夫が足りないな…と１人反省。
それでも頑張ってくれた光を見ると、もっと頑張ろうって思えた。
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TT(プロフ) - ♪尾曲がりニャンコ♪さん» ご意見ありがとうございます。応援、励みになります♪ (2017年3月4日 10時) (
レス) id: a5409a49a2 (このIDを非表示/違反報告)
♪尾曲がりニャンコ♪(プロフ) - 作者さんが分かりやすく書いてくれてるので、今のままで大丈夫だと思います！更新ファイトです！ (2017年3月3日 11時) (レス) id: 79d67a7ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TT | 作成日時：2017年2月25日 0時
