雫。3 & 短編(12/11〜)

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「…これ」


一度も外した事はなかった


軽井沢の教会で、私の薬指に裕太がつけてくれてから
ずっと…私の分身だった







テーブルの上で光った指輪



裕太の薬指とペアの指輪








裕「A…」








「…返すね…」







.






.






.







裕「嫌だ、いらない…」







裕「いらない！！」







裕「これは、Aのだろ？」


裕太に掴まれた薬指





裕「返すなんて言わないで…」






こんな風に…私は、貴方を何度泣かせただろう

優しい人を









裕「お願いだよ、…」






裕「お願いだから…側にいて…」








.






.






裕「俺を1人にしないでよ…」






.






.






.






裕「ね、… A…お願い…」







.






.







「…ごめん…なさい…」







ゆっくり…

でも、満身の力を込めて裕太を押し返した







「…もう…」




「決めたの」






ずっと…ずっと…決めていた

あの検査結果が分かった日から…






気持ちが揺らぐ事は…ない








.







.







.







「…今まで…ありがとう…」







「…凄く…凄く…ッ」







「…幸せ…だった…」







.






.






今、貴方に

今までの感謝と…貴方への愛を伝えたい








「…大好き…だったよ、裕太…」






貴方が大好き

今も貴方だけを…愛してる







「…幸せだった…」







「…世界で一番…幸せだった…」








.






.







「…私は…」




「…貴方を苦しめてしまったけど…」







裕「そんな事ない…」





裕「そんな事…ないッ！」









.






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「…ありがとう…」






.






.







.







.








そして…







「…さよなら…」






.






.





私の愛した人




裕太

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