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準備室に帰ってきた。プロジェクターを作業机に置くと、モニター机の前に座らされる。先生がコップに水を汲んできてくれたみたいで、薬を飲めと促された。ありがとうございますとお礼を言い、薬を口に放り込んで飲み込む。

最近増えたその薬は少し苦い。その間に救急箱を持ってきた彼は、そこから包帯を取り出した。今付けている包帯を外すと、パサッと音を立てて何かが落ちた。見ればそれはハンドタオルで、私のものでもなければ、女物で先生のものでもない。

『先生これ…』

「あぁ。堀部のだな。お前の傷口をそれで押さえててくれたんだよ。でもまだ血が止まってなかったから、そのまま包帯で抑えたんだ」

血で固まって赤く汚れているそのタオルを見て、取れるか…?なんてつぶやく先生。もし取れなかったら、授業が終わったあと新しいのを買って返そう。

真っ赤になっている包帯は捨てて、先生が傷口を見てくれる。一応塞がってはいるみたいだけど、念の為消毒をしガーゼを当てて、再度包帯を巻かれた。
髪を引っ張ってないかとか、勝手が悪い所がないかとか聞いてくれる先生はやっぱり優しい。

大丈夫ですよ。と笑い、スケッチブックを手に取った。

『先生、これ持っていってもいいですか?』

「ここにあるのは勝手に持っていってもいいぞ」

『ありがとうございます』

教室に戻ろうと準備室の扉を開ける。立ち上がろうとした先生の方を振り返って、キスをした。不意打ちだ。彼の目が見開かれる。そして唇を話すと、深い溜息を吐いた。

「お前なぁ……どんどん羞恥心ってものが無くなってきてる気がするぞ」

『やりたい事を直ぐ実行してるだけです。それじゃあ先生、私教室に戻りますね』

「…行ってらっしゃい」

してやったり。口元が緩む私は上機嫌で準備室を出ていった。先生は私が美術室を出るまでそこに立っていた。

教室に戻ると、話は水泳部ジャージの話に。茅野ちゃんに詳しく聞くと、映像に映っていた犯人が着ていたものが、この学校の水泳部が特注で作ったジャージだっのだ。水泳部以外にそのジャージを持っている人はいない。矛先は完全に水泳部に向けられていた。

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設定タグ:3年A組 , 柊一颯 , 菅田将暉
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (2022年8月20日 18時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎(プロフ) - 初めまして!柊一颯落ちで物凄く嬉しいです!!更新待っています!これからも頑張ってください!! (2021年2月26日 21時) (レス) id: bdaf0ebad8 (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - しろごめさん» ありがとうございます!柊先生オチです(≧ω≦)bこれからもよろしくお願いします(*^^*) (2019年3月16日 8時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
しろごめ(プロフ) - コメント失礼します!ぶっきー落ちと聞いて見に来ました!笑更新頑張ってください、応援してます!!(*´∀`*) (2019年3月15日 23時) (レス) id: f6e80c062e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くすさな x他1人 | 作成日時:2019年3月14日 23時

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