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真っ暗な闇があった。



それは心地よくて、いい意味で何も感じなかった。




こんなこと、今まであったのだろうか。



少なくとも最近はなかった。




ぬるい墨汁に沈んでるみたいな、星がひとつとない澄んだ空にいるような。



ずっと沈めばもっと楽になるのは分かっているが、どうしても私はここに留まり続けている。



何も考えずにいたら、時々疲れた、とかだるい、とかが出てくるけれどすぐに黒に吸い込まれて消える。




ずっとここに居たい。そう、思いかけた時だった。



「鈴さん、時間ですよ」



瞬間に嫌だと思った声が雨のように降ってきた。



ザーザーと聞こえる音は、雨音のようでテレビが壊れた時の砂嵐のようだ。



うるさい…



ふと目が開いた。



ずっと暗いところを目に写していたはずなのに。


状況を理解し兼ねていると、目の前には蛇の姿じゃない男性がいた。



「おはようございます。いい朝ですねえ」


『ファ。朝なんですか』


素直な疑問。星が見えてるぞ。



「あなたが起きたので朝です。よくご覧下さい」



んだこいつ…と思って空を見ると、微かに空が白ばんでいた。


薄い雲に光が当たっている。



『おっとお』



激熱じゃん



と、もっと上を見ようと見上げた時、こつんと頭が当たった。


その正体を知るべくこれでもかと首を後ろに傾けると、



三日月宗近の顔面近になっていた。



するっと顔を戻してため息をつく。


『わー空が明るいですね』


ここの神様ってみんなお顔が国宝級…。




薬研さんは…と探してみると、私の右後ろで三日月宗近に寄りかかって寝息を立てていた。


やだそこ代われ。



そんな思いも口にできないのでまた空に目を戻す。


と、視線の道のりにあった男性がまた狐みたいな目で笑っている。



心読めるんでしたっけーーーーー!



起きてからなんだか心の中は絶好調だ。


まだ何人かの神様としか接触してないが、確実にこの本丸は変わってきている。


私は、さにわさんを救う。



力を込めた拳に視線を落とし、再度気持ちを固めた。



.




そんな鈴の後ろに座る天下五剣。



本気か戯れか、隙あらば隠そうとしているのを知るのは男性だけだった。

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ニャンコソバ2(プロフ) - 若葉さん» うわぁあ!!まだ見てくださってた方が…!!ありがとうございます頑張れます…!! (2020年11月8日 10時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 更新待ってます! (2020年11月8日 1時) (レス) id: 5ef262c096 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - 幸別愛友さん» ありがとうございますー!!!これからもどうぞよろしくお願いします!! (2019年12月14日 6時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - この世界観すごく好きです!続きがすごく楽しみです!待ってます!! (2019年11月12日 23時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - さらさん» うわぁあありがとうございます!!!!!オチは悩み中です…。いきあたりばったりで書いてる駄作者なので…。 これからも応援よろしくお願いしますっっっ (2019年11月5日 22時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニャンコソバ | 作成日時:2018年12月31日 17時

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