誰、だって？ただのできそこないですよ。<弐>[刀剣乱舞]

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三日月宗近の腕の中で、見上げる。


空より全然近くにある屋根は、ツタに苔が生えたような物がどろりと氷柱のように垂れていた。



風はない。

空気は血なまぐさい。

目が慣れてしまった濁った濃い灰色の世界の中に、この屋敷は建っている。


だれも、こんなにあたたかいことが縁側で起こっていることも知らないだろう。


部屋の中でこんな空気なら、換気換気〜✩と言って窓を開ければいくらかマシになるが、外でこれは相当である。


分厚い雲がかかっている訳でもない。
星は見えている。

にも関わらずこの湿気。

さすがの私の髪も異臭を放ちそうだ嫌だ。


私は少しだけ、三日月宗近に体重を任せる。


呪いとは、一体なんなんだろう。

末代まで呪ってやる！！というのは時代劇とかで聞いたことはあるけど。


なんだかあのクソ女は、そんな恨み辛みが重なって、というよりも、お手軽にぽいぽいっと呪ってる気がする。

……………私がさにわさんの立場なら、誰じゃてめえぇぇぇぇ〇ね！！！！！ってぶん殴って池に沈めてやるね



気分が悪くなって深呼吸をする。

私は体重を任せる。


神様たちに、さにわさんは優しさを濃く残している。

その優しさが、他の人間への嫌悪感に繋がっている…。


次に私を殺そうとしてくる神様は………。

いや、全員かもしれない…。



そうしたら………………

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