検索窓
今日:1 hit、昨日:13 hit、合計:68,524 hit

88 ページ39

「『……』」


説明しよう。


今どんな状況かというと、私が吹き出して盛大に笑っていたところ、三日月宗近しゃべらないじゃん!と思い見上げてみたところすごく深刻そうにぎょっとされていたので笑い終わってどうすればいいのかわからなくなっているのである。


薬研さんまつ毛長い。



「いや…そうだな…。お…思っている」


え…何その…間…しどろ…もどろじゃん…。



三日月宗近はなにか堪えてる感じだった。




笑ったことでテンションが上がってしまった私を許してほしい。



…私の名推理…。


三日月宗近は笑いをこらえている気がする。




そこで私は勇気を振り絞るという名のノリで言ってみる。


『笑いたいときは、笑っていいんですよ…』




私が知っている中で一番穏やかな表情をした。



「__」


『え、なんて』



「殺すぞ小娘が」













わたしはしをさとった。




__わけではなく、また笑いそうになってしまった。




その、声のトーンというか雰囲気というか。




全く以てそんなことを思っていないのだ。



あ、この方は笑い方を忘れてしまっている。




すごくポジティブな私は、これを一種の照れ隠しだと理解する。



『あっ』



自分自身で驚いた。


笑い方を忘れている。



それを私が言ってもいいのか。


笑みを張り付けていたのは私も同じじゃあないか。




そして私は今吹き出した。


笑いそうにもなった。




え、これは笑うというものを取り戻したのでは。



この状況で取り戻すとか頭おかしいんじゃないの。



みたいなつっこみが聞こえた気もするが。




『あなたも笑ってみましょうよ。なにもかもどうでもよくなりますよ。なにを抱えてたって、悩んでいたって』




ね、と笑って見せる。



胡散臭い笑みではなかったはずだ。





あまりに目を見開いてきょとんとしているものだから恥ずかしくなって目を逸らす。




すっと口角を戻してやっぱり私はノリでしか動けない馬鹿なんだと自覚する。





神様に対してここまでの失礼を…と思い始めた時。



「は、はは…」



諦めたような笑い声。



すとん。と肩がさがった。



ずっと気を張っていたようだ。



三日月宗近を通り過ぎて空を見る。








_星が、増えていたような気がした。

89→←87



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (130 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
392人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ニャンコソバ2(プロフ) - 若葉さん» うわぁあ!!まだ見てくださってた方が…!!ありがとうございます頑張れます…!! (2020年11月8日 10時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 更新待ってます! (2020年11月8日 1時) (レス) id: 5ef262c096 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - 幸別愛友さん» ありがとうございますー!!!これからもどうぞよろしくお願いします!! (2019年12月14日 6時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - この世界観すごく好きです!続きがすごく楽しみです!待ってます!! (2019年11月12日 23時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - さらさん» うわぁあありがとうございます!!!!!オチは悩み中です…。いきあたりばったりで書いてる駄作者なので…。 これからも応援よろしくお願いしますっっっ (2019年11月5日 22時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ニャンコソバ | 作成日時:2018年12月31日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。