誰、だって？ただのできそこないですよ。<弐>[刀剣乱舞]

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何笑ってるんですか。



少しの苛立ちを顔全面に表した。




「…あなたのお気に召すまま。…お好きなようにやってください」



言葉の節。



やってくださいが、どうも殺ってくださいに聞こえた。




『どういう意味ですか』



暗闇に、急に目が慣れてきた。




振り向くと、見覚えのある背の高い男性の姿。



金色の瞳を鈍く光らせ、私を見ていた。




「あなたのような人間でも、神力が体内にあれば、人格、思考など、少しずつ侵食されます」



消せない、そう言っていたはずだけど、それは私がもう死ぬと言っているようなものなのでは。




「持ち主を殺す、消滅させる、壊す」



男性の口角があがる。



目を細めて、不気味に微笑んだ。




「…それらが実行できれば、神力はやがて消えるでしょう」




遅れて意味が分かり、目を見開く。



私は動揺を表すかのように強く言った。




『そんなこと、できるわけないじゃないですか』



震えていた。



手も、体も、言葉も。




『ここのさにわさんが、悲しみます』





そう言って



そう、言い切って。




男性を見た時、背筋に嫌な悪感が走った。




初めて見た。




男性の、歪む表情を。

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