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想像がついてるから、できる気がする。
「手、出してください。お近付きの印に、いいものをあげます」
表情変わってるかな。
笑った方が警戒される気がするから真顔でいいか。
ぴくりと眉があがったが、まぁなにかされた時は殺ればいいだろうみたいな顔をされて、鶴丸さんは手のひらを差し出した。
その上に拳を持っていき、開いて押し付ける。
刹那、ぶわりと白い濃霧のようなものに包まれる。
鶴丸さんは目を見開き刀の柄に手をかけるが、すぐにその正体に気づいたのだろう。
手をだらんと投げだして、膝をついた。
「君…」
今だぐるぐると鶴丸さんを纏う
「君、何を…」
手入れされているのはわかっているだろう。
ただ、なぜ本当に、手入れをしているんだ、そういう顔だった。
『私』
目元も口元も笑って、言う。
『私、痛いの嫌いなんです。…そんなに痛い思いとしたことないんですが。だから、とも言えますね』
私がしたのは、単純、なのかな。
まぁ私からすれば単純で。
手から出そうとする霊力を、握って、ひとつにまとめる、そんなイメージを湧かせてみる。
いわゆる元気玉ならぬ霊力玉。
それをおらぁっと鶴丸さんの手のひらにぶつけて、割って、手入れ完了!
とまぁこんな感じ。
「いらないことを思い出したじゃないか。君のせいで」
謎の倒置法。
いやそんなんどうでもいいわけで。
『えっすいません』
とぼけた振りをして謝る。
すると懐かしい感覚が襲ってきた。
誰かの話し声。
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「あっこんな所にいたんだね!?やっと見つけた!」
さにわさんの声だ。
「ん?おぉ、主!どうしたんだ?」
鶴丸さんの声。
「どうしたんだ、じゃないよ!落とし穴に落ちたの!」
落とし穴…。
「ははは、そうか!朝からいい驚きがあったな!」
「…ふふふ、そんな鶴さんに選択肢をあげます」
「お、なんだ?」
「長谷部からの説教か、一期さんからの説教、一週間揚げ豆腐のみご飯です!さぁ、どれでもいいですよ!」
「そ、そりゃないぜ主」
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はっとして顔を上げる。
なんて楽しそうな会話。
もとの鶴丸さんは、こんな人だったのかな。
「?どうした?」
もしかして、思い出したのはさにわさんのこと、?
『いえ、何でもないです』
まだ、聞くべきではないだろう。
私は俯いて、薬研さんの前髪をかきあげた。
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ニャンコソバ2(プロフ) - 若葉さん» うわぁあ!!まだ見てくださってた方が…!!ありがとうございます頑張れます…!! (2020年11月8日 10時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 更新待ってます! (2020年11月8日 1時) (レス) id: 5ef262c096 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - 幸別愛友さん» ありがとうございますー!!!これからもどうぞよろしくお願いします!! (2019年12月14日 6時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - この世界観すごく好きです!続きがすごく楽しみです!待ってます!! (2019年11月12日 23時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - さらさん» うわぁあありがとうございます!!!!!オチは悩み中です…。いきあたりばったりで書いてる駄作者なので…。 これからも応援よろしくお願いしますっっっ (2019年11月5日 22時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニャンコソバ | 作成日時:2018年12月31日 17時