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アリアSide:
「あぁぁああッ!!」
雷鳴が轟き、敵兵に直撃する。足下には無惨に焦げた肉塊が散らばった。
「ふーっ、ふー、っふーっ」
鼻腔を劈く臭いが立ち込める世界。家族を守ろうと立ち向かう者たち。
杖を握る皺が汗を滴らせ、血を滲ませた。脈が高鳴り、呼吸が乱れ、神経の端々が震え上がり、目が血走る。
────私は、この感覚を知っている。
『――――アリア』
『俺は、間違ってなんか……なかった』
「っ……!」
大きくかぶりを振り、気を落ち着かせる。
争いの中、自然と寮の方角に視線を寄せた。
Aは、無事なのか――? アラジンはああ言っていたが、それは果たして友の安否を確認すること以上に大切な事なのだろうか? 人を殺め、同じ過ちを繰り返してまですることなのか?
「……違う」
敵陣営のおおよそを撃ち払い、アラジンの姿を探した。
「アラジンさん!」
「っ!? どうしたの?」
どうやら真後ろに居たらしく、彼は驚いたように声を発した。
「あ、あの……私、やっぱり行きます。Aさんの所に」
「!」
「私……こんな所で、こんな事をしている場合じゃないと思うんです。Aさんが心配なんです。それに……平気で人を殺してしまうような奴が、こんな所に居ちゃいけない。だから、私行きます。ごめんなさい!」
「アリアさん!」
上空を浮遊し飛び立とうとしたが、アラジンに呼び止められ、地上を振り返った。
「……お姉さんを、よろしくね」
「! ――――はい」
互いに強く頷き、その場を後にした。
――――――――――――――――――――――
アリア過去編全部移動しました。
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今後は並行して更新していくので、更新結構遅くなったり疎らになると思います。ご容赦ください。
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紅妃(プロフ) - 睦月サイハさん» コメント有難う御座います!ここのところ更新してなくて本当に申し訳ありません。わたくしめには勿体ないお言葉を頂けて、本当に嬉しい限りです。そろそろ話が進むので、気長に待っていただければ幸いです! (2017年10月12日 0時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
睦月サイハ - あの、更新頑張ってください!とても面白いし、続きが気になります!ゆっくりで良いので頑張ってください!応援しています! (2017年10月11日 23時) (レス) id: 78af19d42e (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - ゆみさん» 最新話の感想コメント有難う御座います!やっと今まで書きたいところを書けたので、読者様にもそう言っていただけてとても嬉しい限りです!みんなが無事でいられることを私も祈ります… (2017年7月8日 16時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - シェルの正体は何者でしょうか 続き気になります 何かたくらんでいるのはあきらか みんな気をつけて (2017年7月8日 13時) (携帯から) (レス) id: a64fcc18a2 (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - ゆきさん» 感想コメ有難う御座います!そう言っていただけるなんて光栄です、頑張ります!!;;;; (2017年5月25日 8時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅妃 | 作成日時:2016年12月6日 1時