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それから、二人は並んである場所へ向かった。向かっているのは、いつもの土手。
歩きながら、Aはマサイのほうを気にして話し出した。
A「マサイ、昨日はありがとう。今日はちゃんと考えたかったってのもあったんだけど、一人だと、どうしても滅入りそうでさ。いろんなとこ行ってた。・・そしたら、マサイから連絡あって、正直、うれしかった。」
Aはマサイのほうを見ることなく、まっすぐ歩く方向を見たまま、話し続けた。
A「マサイが昨日のこと、気にしてるだろうなとはおもってたけど、なんか、返事できずにごめん。」
改まって立ち止まり、マサイのほうを見ると、マサイは驚いた表情で立ち止まった。
マサイ「昨日の今日で、返事聞くのも怖かったけど、どうにも気になって・・・。」
マサイの言葉にAも笑みこぼれる。
A「みんなの前で、ひざまずいてプロポーズされたようなもんだもん。そりゃ驚くよ。」
笑いながらAが歩き出すと、マサイは慌てた様子で追いかけてきて「あれは、本当ごめん」と謝ってきた。
A「だから、謝られるようなことじゃないって。それだけ、私のことを考えてくれた結果の行動でしょう?ただね、落ち着いて考えたかったのもあって、いろんなところへ行ったの。家で一人で考えてもよかったんだけど、なんか滅入りそうで」
そういうと、また二人で並んで歩き出した。
いつもの土手が見えてくると、自然と二人とも笑顔になる。
A「ここに二人だけで来るなんてねー」
川面のキラキラに目を細めながら、いつもの場所へ向かう。河原につくと、何も言わず対岸を見つめていた。
(A「ここからグループが始まって、ここまで来て。これからまた新しい何かをここで始める・・・。それもいいかもな」)
太陽の力もあってAの考えはポジティブ。
(A「そうなると、グループ辞めなきゃいけないのな。マサイのサポートって形でいけるのかな?それでもいいかもな」)
そんなことを考えつつ、マサイと二人で並んで川面を眺めている。・・・少したって、Aはふっと笑った。
マサイ「何?なんかあった?」
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作者名:danchan | 作成日時:2020年10月2日 21時