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次の日、仕事が休みだったAは、朝からある場所へと向かった。
・・・自分のお気に入りの場所。
前日のことを思い返しながら、一日ゆっくりと自分の気持ちと向き合いたかった。
まずは水族館。少し暗い照明のもと、クラゲが浮遊する姿をぼーっと眺める。
チンアナゴのかわいらしいしぐさにほっこりとし、魚の泳ぐ姿を見る。
小一時間は眺めていただろうか・・・。出口まで来ると、次に行く場所を考える。
Aは自然と猫カフェにむかった。
休憩がてら、猫と戯れる。
人懐っこい子、無関心な子、物おじしない子・・。
(A「あの子ダホちゃんに似てるかも。あの子はモトキっぽい。」)
そう思っていると、一匹だけAの手の甲をすりすりしてくる、ブルーグレーのアメリカンショートヘアのオスがいた。
Aは思わず頭をなでると、その子は気持ちよさそうにしている。
・・・なんだか、マサイに似てる・・・。そうAは感じた。
そうしてそのアメショーの子と戯れてると、マサイから通知。
【マサイ「昨日はごめん。今から会えないかな?」】
(A「マサイ、気にしてんだ。・・・そうだ!」)
Aはマサイ似のネコと2ショット写真を撮ると、マサイに送った。
【A「私は今どこにいるでしょうか?この子がヒント・・この子、マサイに似てない?」】
すぐに既読になったが、返信は来なかった。
それから30分くらい経ったろうか。そろそろ移動しようと思っていたら、頭の上から聞きなれた声がした。
マサイ「やっぱここだったんだ」
その声にはじかれたようにマサイをAは見た。思わず笑みがこぼれる。
A「今からまた移動しようかと思って。ごめんねわざわざ来てくれたのに。・・・一緒に行く?」
そういうと、無言のまま二人は猫カフェを後にした。
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作者名:danchan | 作成日時:2020年10月2日 21時