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いきなり言われた言葉に、モトキはぎょっとした。
モトキ「え?辞めるの?なんで?辞める必要ないじゃん。オレは辞めてほしくないし」
慌てるモトキを見るのは久しぶり。Aは思わず笑ってしまった。
A「あくまでも『仮定』だし。でもね、モトキはマサイに嫉妬しちゃうし、マサイはモトキに嫉妬するでしょ?その原因、私だしね。だから、ちょっとだけ、グループから距離置いてみてもいいのかな?って思ってさ。」
Aが正直に話すと、モトキはため息。
モトキ「オレは今まで通り、Aと連絡取るつもりだよ。会おうと思えば会えるし。けど、マサイは・・・?」
モトキの口からマサイを心配する言葉が出ることに、Aも申し訳なく思う。
A「今、考えたから、マサイには今から話すんだけど。多分、モトキと同じくらいには連絡くれそうだね」
ちょっと冗談めかしてAが答えると、口にした直後、Aは二人に対して申し訳なく思う。
Aはどうしても自分を責めてしまう。
(A「二人の仲が悪くなったら、私のせいだよね・・・。」)
そう思い、Aが下を向いていると、チクワがしたから覗き込んできた。・・・「どうしたの?」と心配してくれているようだ。
モトキ「悩むんだったら、グループ辞めるとかいうなよな。」
モトキの口調が心なしか、強く聞こえる。
Aはその声に考え込んでしまう。チクワの心配そうな顔に安心させるかのように、頭をなでていた。
A「・・・どうしていいかわかんないよ。二人が、まえの二人でいてほしいのに。
競い合ってたり、お互い嫉妬してたり。そんな風になってほしくないのに・・・。もう、頭のなかがパンクそうだよ・・・。」
そう言って、顔を上げると、Aの眼から涙がこぼれる。
その様子に、モトキは体が勝手に動き、Aを抱きしめていた。
モトキ「そんなに悩んでるんだ。ごめん、オレらのせいで。・・・けど、オレはAの気持ちを大事にしたい・・・。」
そう言って、抱きしめていた腕をほどき、スタジオから出て言った。
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作者名:danchan | 作成日時:2020年10月2日 21時