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ジャングルジムから降りたモトキは、Aに近づくと、ポンとAの肩に手を置いた。
モトキ「ずりぃじゃん、Aばっかり」
モトキは、ぽつっとつぶやくと、「あのさ・・・」と話し始める。
モトキ「ごめん、Aの気持ち、気づかなかったよ。」
Aは”フラれる”と思い、涙がこぼれそうになるのをこらえる
A「気づかせないようにしてたもん。それに関しては成功だったね」
努めて明るく話すAの腕を、モトキはつかむ。
モトキ「そうじゃない・・・違うんだ。A、オレの好きな人、知らないでしょ?・・・Aなんだよ、オレの好きな人」
その言葉に、Aは大きく目を見開いた。
モトキ「中学から一緒だったけど、意識しだしたのは高校の時。だけど、この関係を壊したくなくて、ずっと黙ってた。・・・ダホちゃんは、気が付いてるかもしれないけど」
明らかに混乱している表情を見せるAに、モトキは笑ってしまう。
A「え?じゃあ・・・、モトキの好きな人って・・・。」
モトキ「そう、Aだよ。」
そこまではっきりと言われたAは、思わず涙を流した。
モトキ「え?オレ、なんかした?」
Aの涙に、困り果てるモトキにAは笑った。
A「びっくりして、うれしくって。・・ごめん、泣くつもりはなかったんだけど」
そういうと、Aは涙を拭き、にっこり笑った。
A「モトキ、ありがとう。これで、お互いすっきりしたね。・・・マサイには、申し訳ないけど、ちゃんと言うよ。・・・それと・・・」
Aは言いにくそうに、一瞬黙ったのち、モトキにあるお願いをした。
A「今までの、メンバーの関係を崩したくないから、少しの間、このままでいてくれないかな?『付き合う』ってことは今すぐにはできない・・・」
そういうと、モトキも大きくうなずいた。
モトキ「オレも同じだよ。時期を見て、メンバーに話してからって思ってる」
二人は、お互いの顔をみて、笑いあった。
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作者名:danchan | 作成日時:2020年10月2日 21時