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なんだかんだご馳走になってしまって、お店を出たところで、段差に躓いて彼女がよろけた。
「全くホントに危なっかしい」
とっさに腕を引き、抱き止めた。
小さい声で
「やっぱり、良い匂いがする…」
「え?」
思わずちょっと身体を引き離し顔を見れば、
「あっ、変なこと言ってごめんなさい。」と真っ赤だった。
「そんな慌てて何?何の匂い?」
「えっと、その…、初めて会ったときから気づいていたんですけど、石川くんから心地良い匂いがするんです。」
「はい?」今度は俺が赤面する番で…
「俺、何も香水とかつけてないけど」
「わかってます。それは石川くんの匂いです!」
ドヤ顔で言われた。
「あっそぅ。(恥ずかしい…。)」
「偶然にも今日も嗅げてラッキーでした!私匂いフェチなんですよ。」
満面の笑みだ。
「何かよく分からないけどそれは良かったですね。(何のカミングアウトですか?)」
明らかにルンルンしている彼女を見て、ちょっと意地悪したくなった。
「ワザと転けたでしょ?狙ったでしょ?」
「え?違う。流石にそこまでして嗅ごうとは…、ずっと興味はあったけど…。すみません。」
「…。(興味あったんかい!) そういや敬語!戻ってるよAちゃん!」ニヤリとすれば
「あっ…。」
真っ赤になったりあたふたしたり百面相する彼女が可愛くて、笑えて…
「まぁ、そしたらまたAちゃんからお願いされたら嗅がせてあげるかもね!笑」
「もぅ、本当にからかわないで!」
「勝手にカミングアウトしたのそっちだから。」
「嬉しくて、つい…」
そう言われて何でか悪い気はしなかったし、
俺自身も彼女を抱き寄せた時に鼻腔を抜けた香りにとらわれていたんだと思う。
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tomo1211(プロフ) - まりんさん» ありがとうございます。 頑張ります。これからもよろしくお願いします。 (2019年11月11日 15時) (レス) id: 0b278f186c (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2019年11月10日 22時) (レス) id: b59f2ee03b (このIDを非表示/違反報告)
tomo1211(プロフ) - kazukiさん» ありがとうございます! 本当に汗かいても爽やか!凄いですよね。笑 これからも更新頑張ります!! (2019年11月9日 22時) (レス) id: 0b278f186c (このIDを非表示/違反報告)
kazuki(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読ませて頂いてます!! 祐希くん…絶対いい匂いしますよね… 主人公ちゃんとの進展楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2019年11月9日 18時) (レス) id: 85bff645e6 (このIDを非表示/違反報告)
tomo1211(プロフ) - みっふぃーさん» ありがとうございます!凄く嬉しいです!!飽きられように頑張りたいと思います。今後ともよろしくお願いします! (2019年11月7日 13時) (レス) id: 0b278f186c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tomo1211 | 作成日時:2019年10月24日 8時