CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ 学級裁判前編 ページ24
「スクリーンを壊したのが今回の事件の犯人だったから、茶番ちゃんは‘‘何処かの馬鹿’’の名前を言えなかった」
「裁判する前から犯人分かってしまったら、茶番ちゃんとしてはおもんないやろな」
『そうそう!』
ずっと黙っていた茶番ちゃんは、ショッピくんの言葉に嬉しそうに頷いた。
やはり茶番ちゃんは私たちの疑心暗鬼を楽しんでいるようだ。
「でもスクリーンを使って、どうやってひとらんの死体を?」
「井戸の滑車と同じだよ。水を汲み上げる時片方を引いて、桶のついたもう片方をあげるよね」
「釣瓶井戸ってやつですね」
「つるべ?」
博識なエーミールくんはドヤ顔でそう言うが、ロボロくんはいまいちピンと来ていないようだ。
私も同様に、そんな名前だとは知らずピンと来なかった。
「桶の方をひとらんくんの死体だとして、引く方のロープをスクリーンに括り付ける。あとはスクリーンを下げるだけで、水を汲み上げるのと同じようにひとらんくんの体は浮く」
「犯人はスクリーンのボタンを押すだけでいいってわけね」
「ホワイトボードの枠を通せば、滑車の代わりになるし」
補足したしんぺいくんに「誰でもできるやん、そんなの」と大先生は唇を尖らせた。
大先生の言う通り、このやり方なら私でもできる。
つまりひとらんくんの吊るし方が分かったところで、犯人を絞ることはできないのだ。
「ひとらんさんも間抜けですね」
不意に、ショッピくんがそんなことを言った。
彼も死にたくて死んだわけではない、不謹慎な発言だと思ってしまう。
「そんな言い方ないやろ、仮にも被害者に」
ショッピくんにそう軽く注意したのは、マンちゃんだった。
しかし彼はまだ言いたいことがあるのか「だって」と続ける。
「こんな状況で呼び出されたら、俺なら怪しむけどな」
「は?」
一瞬何が言いたいのか分からず、私は目を丸くする。
呼び出された?怪しむ?
当然ひとらんくんのことを言っているのだろう。
「シャオさんの時もそうだったじゃないですか。動機が配られて全員が警戒している中、呼び出されて殺されたわけがないって」
「嗚呼、だからあの時は呼び出されたわけじゃないって話になって…」
グルちゃんがそこまで言ったところで、ハッとする。
私も同様にだ。
シャオロンくんは呼び出しに応じて殺されたわけではない。
それはひとらんくんも同じはずだ。
…じゃあ何故彼は殺されたのか?
彼は何故早朝に、部屋を出て行ったのだろうか?
《学級裁判中断》
CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ 学級裁判後編→←CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ 学級裁判前編
149人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 名無しくんさん» ご愁傷様です…(´ー`;) (2019年9月23日 12時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん - 推しが…死にましたぁ…(°▽°) (2019年9月23日 11時) (レス) id: f915d9c3de (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 閑さん» はじめまして、いつも閲覧有難うございます!私も大好きで、d!様と原作者様には感謝しかないです…かたつむり更新ですが自分のペースで頑張ります!有難うございます! (2018年12月28日 14時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
閑 - はじめまして、いつも楽しく見させて頂いてます! d!もダンロンも大好きなので主さんには本当に感謝しかないです…これからも更新など頑張ってください (2018年12月28日 14時) (レス) id: 8c1224d0db (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 蒼空さん» ひえええ!両方推しだったなんて!!今後名前だけでも沢山出します!!これからも閲覧お願いします!コメント有難うございます! (2018年12月15日 17時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ