CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ 学級裁判前編 ページ22
「そもそもロープの出所がエーミールくんの研究教室ってのが間違いなんだよ」
「エミさんの研究教室じゃないなら、一体何処から?」
「体育館だよ」
マンちゃんの質問にそう答えると、体育館のロープが減っていることを知っているショッピくんは納得の声を漏らした。
「ロープがなくなっていたのはエミさんの研究教室だけじゃなかったんや」
「で、でも殺人に研究教室と体育館のどっちのロープを使ったかなんて分からんやん」
それとは対照的に大先生はまだ納得いかないようで、声を小さくしながらもそう言った。
「いや、分かると思うよ。だって映画鑑賞の準備の時、エーミールくんに三本のロープを持って来させたのは大先生でしょ?」
「あっ!!」
大先生は思い出したように声を上げた。
あの時エーミールくんが三本のロープを持ってきたのを見ていなければ、私も大先生と同じようにエーミールくんを疑っていたかもしれない。
「エーミールくんは研究教室に鍵を掛けていたから、エーミールくん以外あの研究教室のものを勝手に使ったりできないよね」
「…エミさんが体育館のロープを使ってないって証拠もないけどな」
「うん、だからまだ容疑者のままなんだけどね…」
私の話を聞いていて、疑いが晴れるとワクワクしていたエーミールくんだが、ゾムくんの言葉で一気に落とされてしまった。
私はそんな彼に同情したが、彼は「まあ、そうですよね…」と肩を落としながらも納得してくれた。
「凶器の出所は分かった、やっぱりエーミールを犯人だと決めつけるのは早いかもしれないな」
話を聞いていたグルちゃんは、まるで大先生に言い聞かすようにそう言った。
案の定それを聞いた大先生は「…せやな」と返事をする。
「あーあ、結局犯人絞れんかったな」
コネシマくんは諦めたようにそう呟いた。
それに兄さんが「諦めるのはまだ早い」とコネシマくんをじっと見る。
「犯人を絞る方法なんてまだあるやろ」
「兄さんの言う通り。死体の状況から、ある程度犯人を絞れるかも」
兄さんに続くように言ったロボロくんに、私は思わず「死体の状況?」と聞き返した。
実際に事件現場を見ていないロボロくんは、ファイルの写真を指差した。
「死体って普段より重いって聞いたことある。それをホワイトボードにぶら下げるってかなりの力持ちやないと無理やない?」
そんな彼の言葉に私たちは「確かに」と声を漏らした。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 名無しくんさん» ご愁傷様です…(´ー`;) (2019年9月23日 12時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん - 推しが…死にましたぁ…(°▽°) (2019年9月23日 11時) (レス) id: f915d9c3de (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 閑さん» はじめまして、いつも閲覧有難うございます!私も大好きで、d!様と原作者様には感謝しかないです…かたつむり更新ですが自分のペースで頑張ります!有難うございます! (2018年12月28日 14時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
閑 - はじめまして、いつも楽しく見させて頂いてます! d!もダンロンも大好きなので主さんには本当に感謝しかないです…これからも更新など頑張ってください (2018年12月28日 14時) (レス) id: 8c1224d0db (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 蒼空さん» ひえええ!両方推しだったなんて!!今後名前だけでも沢山出します!!これからも閲覧お願いします!コメント有難うございます! (2018年12月15日 17時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
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