CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ 捜査 ページ12
ひとらんくんが磔にされていたホワイトボード付近へ行くと、そこにはスクリーンを出すグルちゃんと兄さんがいた。
グルちゃんは振り向くと、私に気が付いて「Aじゃないか」と手を止める。
「グルちゃん達は何してるの？」
「犯人がどうやってらんらんを磔にしたのか、現場を見れば分かると思ってだな」
「生憎だがさっぱり分からん」と開き直ったグルちゃんに、私はなんと返せばいいのか分からなかった。
すると彼はそんな私を見て「そういえば、」と突然話を変える。
「Aを見ていて思い出したんだが、エーミールが幽霊を見たとか馬鹿げたことを言い出したんだ」
「…何で私を見て思い出すの？」
「随分間抜けな話だと思ったもんだから、お前の気の抜けた表情を見てるとつい」
…遠回しに間抜け顔って言われてる？
グルちゃんは私の顰めた顔を見て「失礼」と軽く謝った。
否定はしてくれないらしい。
「散々馬鹿にしておいて何だが、俺もその幽霊とやらは目撃している」
「……へ？」
腕を組みながら平然と言ってのける彼に、私は彼の言葉を理解するのに少し時間がかかった。
エーミールくんの怯えようを思い出すと、グルちゃんの言葉は嘘にさえ思えた。
「…見たの？」
「ああ、見た」
「幽霊を？」
「幽霊かどうかは分からんが、多分エーミールが見たのと同じやつだ」
暫くグルちゃんを眺めた後、私は思わず「…はえー」と気の抜けた声を出してしまう。
こんな調子だから、彼に間抜け顔だと思われてしまうのだろう。
「今朝の6時頃だ。7時の放送前だし、俺以外の目撃者はいないだろうが」
「近くで見たの？」
「いや、近くはない。点灯時間前なのもあって白いぼんやりとしたものにしか見えなかった」
昨日のエーミールくんのこともそうだが、その幽霊の正体って一体何なのだろうか。
エーミールくんの話を聞くだけだと茶番ちゃんか何かを見間違えたのだと思っていたが、グルちゃんまで見たとなると話が変わってくる。
真剣に悩む私をよそにグルちゃんは「案外、死んだシャオロンかトントンの霊かもな」と言いながらニヤリと笑った。
…ゾムくんと同じ思考回路の持ち主がこんなところにもいたのか。
CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ 捜査→←CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ 捜査
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 名無しくんさん» ご愁傷様です…(´ｰ｀;) (2019年9月23日 12時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん - 推しが…死にましたぁ…(°▽°) (2019年9月23日 11時) (レス) id: f915d9c3de (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 閑さん» はじめまして、いつも閲覧有難うございます！私も大好きで、d!様と原作者様には感謝しかないです…かたつむり更新ですが自分のペースで頑張ります！有難うございます！ (2018年12月28日 14時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
閑 - はじめまして、いつも楽しく見させて頂いてます! d!もダンロンも大好きなので主さんには本当に感謝しかないです…これからも更新など頑張ってください (2018年12月28日 14時) (レス) id: 8c1224d0db (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 蒼空さん» ひえええ！両方推しだったなんて！！今後名前だけでも沢山出します！！これからも閲覧お願いします！コメント有難うございます！ (2018年12月15日 17時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
