【wrwrd!】ダンガンロンパ Last〜ボクらのカンキンユートピア〜Part9

CHAPTER 05 総統が恐れるは破滅より孤独 ページ10

「…なら、付き添いは？それならええやろ？」

よっぽど私達が心配なのか、そう続けたゾムくん。
ショッピくんが「付き添い？」と聞き返すと、彼は頷いた。

「Aちゃんに怪我でもされたら、俺が困る。戦力にはならなくても、Aちゃんは俺の大事な友達や」
「……」

真剣な顔で、平然とそんなことを言い放つゾムくん。
私だってゾムくんに対して同じ思いを抱いているが、改めて口に出して言われるとと気恥ずかしい。

「それに二人なら、流石のグルッペンも手は出さへんやろ」
「そうですよ。一人で行く必要はないんですから、いつでも頼ってください」

心強いゾムくんとエーミールくんに、私は「ありがとう」とお礼の言葉を返す。
エーミールくんの言う通り、一人でグルちゃんの食事を届けに行く必要はない。
いざとなったら、彼らを頼ろう。



『なーんか団結してそうな雰囲気、気に食わないな〜』
「ッ！？」

突然茶番ちゃんの声が耳を通り、私たちは驚いて椅子から立ち上がる。
グルちゃんが座っていた椅子の上に、茶番ちゃんが肘をついて寝転がっていた。

「いつからそこに…」
『さっき！でもお前らのやり取りは、ずーっと見てたよ！』

ショッピくんの問いにそう答えると、茶番ちゃんはむくっと起き上がり、テーブルの上によじ登ってきた。
…羽が生えてるんだから、飛んで来ればいいのに。
短い足を上げるのに苦労している茶番ちゃんを眺めながらそう思ったが、口には出さない。

『それにしても、酷いよお前ら。グルッペンが孤立しちゃった、可哀想に…』

何を言うのかと思えば、そんなことを言いながらおいおい泣き真似をする茶番ちゃん。
全部見ていたなら、グルちゃんが孤立してしまったのも彼の自業自得だと分かるはずだろうに。

『いくら超高校級の才能を持つ天才でも、寄ってたかって弱者を追い詰める行為は見逃せませんな！学園長として！』
「…そう思うんなら、もっと早く出てきて止めに入ったらええやろ」

ゾムくんは茶番ちゃんを睨みながら呟く。
とは言え、孤立すると言い出したのはグルちゃん本人だし。
あれだけ大口叩いていた彼が、弱者と呼ばれるのも納得いかない。

『学園長だって多忙なんだよ。寝っ転がってポテチ食べながら、お前らのこと見てバカ笑いしてる訳じゃないんだから』
「どうだか」
『疑ってんの！？今の今まで、別行動してるグルッペンに五階の説明してたんだよ！』

そう声を張り上げた茶番ちゃんの言葉に、私たちはピクッと反応する。

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