【wrwrd!】ダンガンロンパ Last〜ボクらのカンキンユートピア〜Part9

CHAPTER 05 総統が恐れるは破滅より孤独 ページ42

グルちゃんの食事を届けた二人が戻ってきて、ようやく落ち着いて夕食を迎えられた。

「ところで、グルッペンさんの研究教室はどやった？」

口の中のものを水で流し込んだ後、エーミールくんはショッピくん達に尋ねた。
するとゾムくんとショッピくんは顔を見合わせ、肩を竦める。

「全然ダメ。アイツ、研究教室に鍵掛けとった」
「見様見真似でピッキング試してみたけど上手くいかへんし、途中で茶番ちゃんに妨害されました」

まあそう簡単にはいかないだろう。
死体発見後の捜査時間なら、鍵のかかった部屋でも捜査することができるが、だからといって殺人を起こすわけにもいかないし。
グルちゃん本人に頼んで開けてもらう、という方法は論外だ。

「素人のピッキングがいかに無謀かを延々と聞かされてましたね」
「だからって廊下で三時間正座させんでもええのにな！」

茶番ちゃんに説教されたらしい二人は、思い出しながら愚痴をこぼす。
……三時間も廊下で正座していたのか。
天使の人形相手に、冷たい廊下で大人しく正座するゾムくんとショッピくんを想像してしまい、私は思わず吹き出しそうになった。
でもそれだけ茶番ちゃんが妨害してくるということは、あの研究教室には、私たちに知られたくないような重要な情報があるということだろう。


「じゃあグルちゃんの研究教室を調べるのは無理そうだね」
「入る方法にしても、一旦‘‘作戦会議’’が必要やな」

ゾムくんが私の言葉に頷くと、エーミールくんが「はい！質問！」と挙手をする。

「その作戦会議って、いつ何処でやんの？」
「あ〜……」

エーミールくんの問いに、ゾムくんは声を漏らした。
今までは二人で大浴場のサウナに集まっていたが、あそこは私たち四人が入るには狭すぎる。
サウナはこの学園内で唯一監視カメラがない場所だが、監視カメラのことは諦めて別の集合場所を見つけるべきだろう。

「四人全員で動くとグルッペンに勘付かれる可能性もあるし、できれば誰かの個室に集まりたいけど…」
「それなら、オレの部屋とかどうです？」

不意に、ショッピくんがサラダを一口食べながらそう提案した。
あまりにも主張の薄い提案に、私たち三人は反応に遅れる。


「…っえ、なに？ショッピくんの部屋？？」
「どうせ誰の部屋でも同じなら、俺の部屋にしましょうよ。移動だるいんで」

そう言ってまた一口と箸を進める彼に、私たちは特に意見もできないまま。
夜の集合場所は、ショッピくんの部屋に決まってしまった。

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