【wrwrd!】ダンガンロンパ Last〜ボクらのカンキンユートピア〜Part9

CHAPTER 05 総統が恐れるは破滅より孤独 ページ37

「グルさんが内通者って分かったし、ずっと四人で行動し続けるのもしんどくないですか？」

突然そんなことを言い出したショッピくんに、エーミールくんが「…というと？」と聞き返した。

「俺ら四人は利害が一致してるわけだし、誰か一人が裏切って殺人を起こすってことはないと思うんです」
「まあ、そうやな」
「つまり警戒する必要があるのはグルさん一人であって、グルさんに対抗できるなら四人で行動する必要ないと思うんですよ」

ショッピくんの言い分に、私たちは「なるほど」と納得してしまう。
内通者でなければ、これ以上殺人を起こしたくないという思いは同じだ。
内通者だとカミングアウトしたグルちゃんさえ警戒できれば次の殺人は起きないだろうし、言ってしまえば私たち4人は二手に分かれても問題ない。

「んー…じゃあツーマンセルで二手に分かれる？」

四人で固まって行動するという当初の予定を変えるかどうか、私たちに意見を求めるようにゾムくんは尋ねる。

「私とショッピくんは別々の方がいいよね。今の私たちじゃ、二人でもグルちゃんに敵うか分からないし」
「そうやね」

お互い左手を包帯に巻かれた私とショッピくんは、無傷のゾムくんとエーミールくんのどちらかと行動した方がいいだろう。
エーミールくんもそれには同意してくれた。



「じゃあ俺は、あえてショッピに着くぜ！」

そう言ってショッピくんの隣の席に移動したゾムくんに、私もエーミールくんも、隣に座られたショッピくんも驚く。

「っえ、ゾムさんはAさんに着かないんですか…？」
「俺とAちゃんはいっつも一緒やし、たまには相棒変えてみるのもよくない？」

エーミールくんの問いに、ゾムくんは楽しそうな笑顔でそう返す。
こんな状況下でも遊び心を忘れない彼には頭が上がりそうにない。


「…うん、面白そう。私はそれでいいよ」
「ええ！？」

その意見に賛成すると、ガッツポーズをするゾムくんと対照的に、エーミールくんはまた驚いたように私を見た。

「ええの…！？Aさんは俺よりゾムさんと一緒の方が…」
「何言ってるの、私はエーミールくんと一緒で嬉しいよ」

今までエーミールくんと二人っきりになることなんて少なかったし、お互いのことをより深く知るいい機会だと思う。
素直に思ったままを言うと、彼から「ひょえっ」と変な声が出てきた。

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