【wrwrd!】ダンガンロンパ Last〜ボクらのカンキンユートピア〜Part9

CHAPTER 05 総統が恐れるは破滅より孤独 ページ26

「爆弾については結構勉強したんで！」
「勉強？なんで？」

ゾムくんが首を傾げると、エーミールくんは口角を上げて答える。

「以前大企業の経営者が来日した際にイベントの警備を頼まれたことがあって、そのとき不審物を発見したんです」
「不審物ってことは…それこそ爆発物とか？」
「そう。ただその時は知識とか一切なかったから、俺は何の力にもなれなくて」

「それから勉強したんや」と、両手をぐっと握りしめるエーミールくん。
そんな努力があるだなんて初めて知った私たちは、自分たちの不甲斐なさを感じながら感心する。
…ただ何となくで超高校級の称号を得た私とは大違いだ。


「特に時限爆弾はテロに使われやすくて種類もあるから、自力で解除できるくらいには覚えたけど……そういえばここは時限爆弾がないな」
　
説明しながらエーミールくんは時限爆弾の実物を探したが、どうやら見つからないらしい。
私たちも辺りを軽く見渡すが、それらしい爆弾は見当たらない。

「時限爆弾だけ用意できんかったんちゃう？」

これだけの種類があって、簡単に手に入りそうな時限爆弾だけないと言うのもおかしな話だが。
ゾムくんがそう言うと、エーミールくんは「それは残念…」と肩を落とした。
流石にこればかりは仕方ないだろう。
茶番ちゃんに追加で時限爆弾を用意しろと言うのも危険だろうし。



「ちょっと、そこのお三人方いいですか？」

落ち込むエーミールくんを眺めていると、既に武器庫の外に出て扉から顔を覗かせているショッピくんに声をかけられた。
何事だと彼の方を見ると、ショッピくんは人差し指を立てながら言う。

「もう消灯時間なりますよ」
「っえ、もうそんな時間…？」

自分の目で時間を確認しようと、私たちは武器庫内の時計を探す。
しかし時計を見つけるより先に、いつもの放送が流れた。

『茶番ちゃんでーす。夜10時になったことをお知らせするよ、消灯時間ってやつだね！皆がせめて夢だけでは楽しくありますように、それじゃあおやすみなさーい』

ブツッと痛い音を立てて切れた放送に、私たちは顔を見合わせる。
捜査に夢中になっていたが、もうこんな時間なのか。
いつまでもここにいたら、そのうち茶番ちゃんが怒ってやって来るかもしれない。
私たちは慌てて武器庫を後にすると、走って個室まで戻った。

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