CHAPTER 05 総統が恐れるは破滅より孤独 ページ3
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気がつくと、私は植物園内のベンチに座っていた。
隣には、眠たそうなゾムくんがフードを被ったまま、深く座り込んでいる。
此処は‘‘記憶’’の中なのだろう。
「ゾムくん、これ」
「ん?」
私は、持っていた小さな紙袋をゾムくんに手渡した。
中に何が入っているのかまでは思い出せないが、これはゾムくんへのプレゼントだ。
「これ、あげる」
「え、あ…ありがと」
受け取ったゾムくんは座り直して、紙袋の中を覗く。
二重に包装してあるため、ただ覗いただけでは中身は見えない。
「中身は、要らなかったら捨ててくれても構わないから。ゾムくんの趣味とは合わないかもしれないし…」
「…趣味?」
袋の中身が想像できないゾムくんは、顔を顰める。
「この中身、なに?」と言いたげなゾムくんにじっと見られるが、中身が何かは敢えて答えない。
出来れば私がいないところで開けて欲しい。
そう思い、ゾムくんから目を逸らした瞬間…。
「Aさーん!」
聞き覚えのある声に、名前を呼ばれた。
瓶底眼鏡をかけたサスペンダー姿の、あの男の子の声だ。
丁度ゾムくんからの視線に気不味さを覚え始めていた私は、絶好のタイミングを逃すまいと立ち上がった。
「ごめんゾムくん!‘‘チーノくん’’が呼んでるから!」
「は?ちょっ、」
私はゾムくんの目から逃げるように、私を呼んだ‘‘チーノくん’’の元へ急いだ。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 廻りさん» 生存予想で意外だと言って頂けるときが一番楽しいです…!!終盤に近付いてきて、生き残り枠も透けてきた感じがしますね!なんだそのif面白そうですね…!?もう沢山妄想してください、その言葉だけでご飯が進みます^ ^ありがとうございます!頑張ります!! (2020年9月27日 18時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
廻り - ifみたいになっちゃいますがゲームのループ物みたいに夢主ちゃんが生存に導いたりするのも楽しそうですよね……物語読みつつそんな妄想が膨らんでいく私であります。それも含めて今最高の気分で9パート全て見終わってきました……これからも頑張って!!! (2020年9月27日 2時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
廻り - いつも楽しく読んでます!!生存予想とても楽しいです。主戦力が残ってますね…!でもまさかあそこでホビットが…脱出したりするのに必要になりそうだな、とか思ったりしたのですが、とても意外な人でした、楽しい。生存キャラ残り少ないですがもっと続いて欲しい…… (2020年9月27日 2時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - ダリアさん» 読んで頂きありがとうございます!!オシオキは序盤に全員分決めたまま設定を変えていないので、好きと言って頂けて嬉しいです…!!本当にのろのろ更新ですみません!頑張ります!! (2020年9月21日 18時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 読ませて頂きました!オシオキめっちゃ好きです。メンバーにぴったりで続きが気になります…!わたうさ様のペースで頑張ってください。 (2020年9月21日 15時) (レス) id: 39bf6c1775 (このIDを非表示/違反報告)
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