CHAPTER 05 総統が恐れるは破滅より孤独 ページ17
「と、特殊部隊??」
書類に目を通してすぐ、ゾムくんは目を丸くした。
「…てか超高校級の才能って、俺らのこと?」
「まあそうでしょうね」
エーミールくんの問いにショッピくんが答える。
3人は見出しだけを見終わると、すぐに私に書類を返してきた。
私は書類を受け取ると、3人に聞こえるように改めて本文を音読した。
「えっと…‘‘今回本校に入学予定である15名の扱いは以下の通りである。’’」
「15人?」
首を傾げたエーミールくんにショッピくんが「チーノのことでしょ」と返すと、彼は「あ、そっか」と軽く手を叩いた。
「‘‘特殊部隊強化のため超高校級の才能を持つ15名を利用することが改めて決定された。したがって私たちは彼ら15名を、’’」
そこまで読み上げたところで、突然背後から書類を取り上げられた。
驚いて慌てて振り向くと、そこには私から取り上げた書類を眺めるグルちゃんが立っていた。
「っわ!ぐ、グルッペン!」
声を上げたゾムくんにつられて、私たちは二歩分後退った。
そんな私たちを特に気にする様子もなく、グルちゃんは書類をじっと見つめる。
そして暫く書類を読んだ後、口角を上げて私たちを見た。
「…この書類、何処にあった?」
「っえ、このファイルの中だけど…」
「じゃあこの書類は、元から俺の研究教室にあったもので間違いないな?」
そう尋ねられ、私は素直に頷く。
するとグルちゃんは書類を雑に四つ折りにして、自身のポケットの中に突っ込んだ。
ポケットの中でぐしゃっと紙がシワだらけになる音がして、エーミールくんが身を乗り出した。
「ちょっ、その書類返してください!」
「ん?別に大した内容じゃないから、気にしなくてもいいぞ」
そう言って書類を入れたポケットに手を突っ込み、再度ぐしゃっと音を立てたグルちゃん。
そんなこと言われても、気になるものは気になるのだが。
「…見せてくださいよ、俺らが先に見つけたんですから」
「俺の研究教室なんだから、ここにあるものは全部俺のものだ。お前らが先に見つけたとか関係ねーよ」
差し出したショッピくんの手を、グルちゃんは軽く叩いた。
その態度にショッピくんは舌打ちしたが、彼は気にしない。
グルちゃんは一番近くにいた私とエーミールくんの腕を掴むと、研究教室の外へ追い出した。
つられてショッピくんとゾムくんも研究教室から出てしまい、4人全員が研究教室を出た瞬間、扉が音を立てて閉じてしまった。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 廻りさん» 生存予想で意外だと言って頂けるときが一番楽しいです…!!終盤に近付いてきて、生き残り枠も透けてきた感じがしますね!なんだそのif面白そうですね…!?もう沢山妄想してください、その言葉だけでご飯が進みます^ ^ありがとうございます!頑張ります!! (2020年9月27日 18時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
廻り - ifみたいになっちゃいますがゲームのループ物みたいに夢主ちゃんが生存に導いたりするのも楽しそうですよね……物語読みつつそんな妄想が膨らんでいく私であります。それも含めて今最高の気分で9パート全て見終わってきました……これからも頑張って!!! (2020年9月27日 2時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
廻り - いつも楽しく読んでます!!生存予想とても楽しいです。主戦力が残ってますね…!でもまさかあそこでホビットが…脱出したりするのに必要になりそうだな、とか思ったりしたのですが、とても意外な人でした、楽しい。生存キャラ残り少ないですがもっと続いて欲しい…… (2020年9月27日 2時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - ダリアさん» 読んで頂きありがとうございます!!オシオキは序盤に全員分決めたまま設定を変えていないので、好きと言って頂けて嬉しいです…!!本当にのろのろ更新ですみません!頑張ります!! (2020年9月21日 18時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 読ませて頂きました!オシオキめっちゃ好きです。メンバーにぴったりで続きが気になります…!わたうさ様のペースで頑張ってください。 (2020年9月21日 15時) (レス) id: 39bf6c1775 (このIDを非表示/違反報告)
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