【ハイキュー】岩泉一と結婚するまでの話 (ページ32)

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サンジュウイチ！ページ32

それから、目まぐるしい日々が続いた。

新入生の本入部

GWの強化合宿

そして、インハイ予選。

今年も決勝まで進んだ青城だったが、

白鳥沢に勝つことはできなかった。

「徹くん」

体育館で無我夢中にサーブを打つ徹くんに、私は話しかけた。

「ごめん、Aちゃん。

今は1人にさせて…！」

そう言って何本も何本もサーブを打つ。

私は知っている。

徹くんがサーブ練をはじめて、もうすぐ30分が経過することを。

私は知っている。

これは努力でも何でもないことを。

私は知っている…！

これは、この練習は…

「徹くん！！！！もうやめて！！！！」

怪我に繋がることを。

「うるさい！！！！！！！！！！」

手を止めた徹くんは、ズカズカと歩いて私の方に向かってきた。

今まで見たことのない顔だった。

でも、全然怖くない。

私は知っている。

怪我をしたら、もうなにもできないことを。

怪我をしたら、バレーができなくなることを。

私は知っているから、徹くんから逃げなかった。

「Aちゃんに、俺の何が分かるって言うのさ！！

俺は…！俺は！もっとうまくなって…

チームのみんなが打ちやすいトスをあげなきゃ！

じゃなきゃ、俺たちは、牛島若利には勝てない！！！！」

徹くんは泣きながら、そう言った。