ニジュウキュウ! ページ30
「そう、か…。そうだったんだね。」
「ごめんなさい!!
…徹くんにも、バレー部のみなさんにも、迷惑かけて」
泣いて謝る紀子ちゃん。
私はそんな彼女を抱きしめて、話した。
「紀子ちゃんは何も悪くないと言ったら嘘になるけど、
紀子ちゃんがそんなに思い詰めることじゃないよ。
私に教えてくれて、ありがとう」
そういうと、更に泣き始めた。
もうすぐ1限が始まる時間だったから、今日は屋上でサボることにした。
少し待って、授業開始のチャイムが鳴った。
その時だった。
「はぁ〜〜〜あ、今日はここでサボろーっと」
屋上のドアが開き、そちらを見ると、徹くんだった。
「あれ、Aちゃん…、それに紀子…、なんで…」
そういうと、徹くんは私たちの方に駆けてきた。
「徹くん、紀子ちゃんから全部聞いたよ。」
私の腕の中で泣きながら、紀子ちゃんは、私をぎゅっと抱きしめていた。
「そっか」
特に何か聞くわけでもなく、徹くんは私たちの隣に座った。
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作者名:とまと | 作成日時:2022年9月19日 1時