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ジュウ! ページ11

私と夕の出会いは、赤ちゃんの頃まで遡る。




私の母と、夕の母は、高校の同級生で、親友だった。









2人ともバレーの経験はなかった。




それでも夕がバレーにハマったのは、いつぞやのオリンピックの時だった。








幼心にも届く何かがあったのだろう。




オリンピックのバレーの試合のほとんどを見た夕は、自身の母親にバレーをやりたいと伝えた。











夕の母は、少し天然なところがある。



何を勘違いしたのか、夕の母は、夕を体育館ではなく、バレエ教室へと連れていった。








次の日の夕はとても怒って幼稚園に来たのを今でも覚えている。











ようやく、バレーボールと理解した夕の母は近所のバレー教室に夕を通わせた。




最初はレシーブが上手く出来なくて、すぐ弱音を吐いていた夕。










毎日毎日、家で練習をしていた。






それは小学校に入学しても変わらなかった。













私が小学校3年生になったある日、夕が試合に出ることを伝えられた。





家族総出で、夕の応援に行った。











目の前に広がる景色は、テレビで見たバレーの試合に到底近づけるものではなかったけれど、選手一人一人が輝いていた。







「夕が来たわよ」




夕の母が指を指す方を見ると、夕だけユニフォームの色が違った。









「夕はリベロと言ってね、守り専門のポジションなんだって」





夕の母が説明をしてくれた。









「守り専門、、、、」



私にはよくわからなかった。

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作者名:とまと | 作成日時:2022年9月19日 1時

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