. ページ8
「あの日の、あの曲
今まで聞いた中で一番、切なかった
同じ曲でも、
こんなに違う
この女の子は、
自分の気持ちをそのまま音にできる
すごいなあ
俺はそう思ったんだよ」
初めて、認められた気がした
技術もなく、
全くと言ってもいいほど上達しない私にとって
一番の武器は、表現力だった
感情をそのまま音にする
伝えたいことを音で伝える
私にはそれができるし、
むしろそれしかできない
だから、先生からも親からも
褒められることはあまりなかった
表現力は確かに大切なものだ
でも、
それは、基礎基本、技術ありきでの話
表現力が長けていたって、全く意味が無い
そう思っていた私を
彼は初めて認めてくれた
「自分の思いを伝えてみなよ
自分がやりたいように弾いてみなよ
俺はAちゃんに合わせる
俺が、みんなをAちゃんと同じ方向に連れていくから
俺が好きな音で
最高の演奏をして」
涙が溢れた
でも笑顔でいられた
ずるい
ずるいよ
喜びと
悔しさと
嬉しさと
悲しさと
色々な感情が入り交じった
でも、
頑張ろうって心から思えた
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とまとちゃん(プロフ) - rei(・v・★) ”蓮依”@ 楽天好きさん» ありがとうございます!! (2018年2月4日 19時) (レス) id: dbb7af4aeb (このIDを非表示/違反報告)
rei(・v・★) ”蓮依”@ 楽天好き(プロフ) - 面白いですね (2018年2月4日 16時) (レス) id: 5c4cf51bfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とまと | 作成日時:2018年2月3日 0時