【アイナナ】ハッピーホーム。 6th

【263】 ページ17

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百


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オレがしっかりしなくちゃって。

Aが笑顔になる一つの訳を潰したのはオレだってずっと思ってた。Aの顔を見る度に楽を思い出して申し訳無さが募った。

でも、オレのせいじゃないと優しい声で、優しい手つきで頭を撫でてくれる。

少し楽になった。



「オレが撒いた種だ。だから、絶対に守るよ。」



そう言えばAは大きなため息をついた。

なんで？と不思議に思い顔を上げれば、何て言うか怖かった。般若だった。



「何にも分かってないね。」

「何が。」

「言ったでしょ？私はもう、百がいないと生きられない。百も無事じゃないと嫌。……大丈夫だよ、百は私達が守るから。」



オレの中で何かが込み上げてくる。



「百が私達を絶対に守ってくれるなら、私達が百を守るよ。皆、そう思ってる。感謝してるんだよ。」



うぅ……。

オレの奥さんはなんて強いんだろう。



「何？何の話？」

「千さん！実は百さんがまじこなのここなちゃんが好きになったみたいで、ナギくんの愛に勝つにはどうしたらいいのかと。」

「ナギロクヤに？無理でしょ。」

「でもホワイトアウトしませんよ？」

「…………。」



思案顔になったユキはそれはいいね、と小さく呟く。

それよりも待って。オレ、ここなちゃん好きなんて言ってないよ？



「わあ！美味しそうです！」

「そうでしょ？三人分だけどね。」

「え？でもこれから皆が…。」

「奪い合って貰おうかなって。」

「環くんが一番乗りに賭けます。」

「それ、賭けになる？」



笑ってる二人を見てれば、なんだかオレも自然と笑顔になれた。だけど、



「オレ、ここなちゃん好きって言ってないよ！？」



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