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車の中は特に音楽が流れてるわけでも、ラジオをかけてるわけでも、テレビをつけてるわけでもない。エンジン音すら聞こえない。そんな静かな空間に甘い水音が響く。
「んぅ…っ。」
「は、」
千さんの自宅のマンションに早く着きすぎてしまい、時間を潰そうとして今に至る。
運転席から身を乗り出して私の両頬を掴み、口付ける百さんはずっと目を開けたままで私の反応を楽しそうに見ていた。
「A、顔熱い。」
「百だって、熱いよ。」
どうしよう、こんな時に。
百さんがあんなキスをしてくるから。
「A?」
「っ……百、触って欲しい。」
「……だめ、お預け。」
ちょん、と私の唇に人差し指を当てる。
「じゃ、ぎゅってして。」
「いいよ。」
百を感じたくてもっと強くと要求すれば更に力がこもる。それを何度か繰り返したあと、壊れない?なんて聞いてくるから、壊れない、とだけ言った。
大好きな人に抱き締められるだけで、こんなに幸せな気持ちになれるんだ。
ここは車の中。コンコンと助手席側の窓が叩かれる。そちらに顔を向ければイケメンが立っていた。
「きゃあ!!」
イケメンの顔が近くにあった為に驚きすぎて百さんの方へと倒れこんでしまう。
ガチャとドアが開いてイケメンが声を発する。
「二人で楽しそうな事してるね。僕も混ぜてよ。」
「ユキ!?」
「千さん……っ。」
百さんの手は私の腰、背中に回ったままで、私もまた百さんの背中に回したまま。
言い逃れなんて、出来なかった。
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さざんか(プロフ) - やだもう大好き〜〜〜!!!!!更新、とってもと〜っても待ってます!お気に登録して待ってますからァ!!!ドキドキを沢山ありがとう🥰🥰 (7月22日 1時) (レス) @page24 id: 2d06e4d39c (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - とても好きです!!シリーズ最初からここまですぐ読んじゃいました!笑 理想のももくんです♡ 更新楽しみにしてますね! (7月7日 1時) (レス) @page24 id: 298a6b7180 (このIDを非表示/違反報告)
まい - すっっ…………ごくいいです!素敵です!!続きは書かれないのですか? (2021年1月11日 22時) (レス) id: 0ca6252bd4 (このIDを非表示/違反報告)
れいこ(プロフ) - コメント失礼します!とっても百さんが可愛くて、かっこよくて、色気凄くて、優しくて、とても素敵な作品に出会えて嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年3月26日 23時) (レス) id: 8ee7cbea57 (このIDを非表示/違反報告)
伊東と田中(プロフ) - ドキドキしながら見てます、更新頑張ってください!! (2020年1月3日 3時) (レス) id: a1062f9285 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2018年12月22日 23時