綿菓子くん【男主】

綿菓子 其の三 ページ3

あれから独歩達は敦の所へ行ったけどマフィアと戦闘しそうになった時に組合の人がやってきてボロボロになった




そして今は紅葉さんも何故かこの探偵社にいて他の三人は昌先生の治療を受けている
悲鳴が凄い……これ何も知らない人からしたら恐怖だよね……





「…………そういえば、紅葉さんいるんだっけ……？

少しだけ、少しだけ……顔だそうかな……？」




久しぶりに会うんだし。紅葉さんならきっと大丈夫だろうから
僕はごんを強く抱きしめながら治の腕を引き、紅葉さんがいる部屋へと向かった
…………嗚呼後、敦も一緒についてきてる





「やあ姉さん。ご無沙汰」




治はどこか冷たい声色で云う
僕はずっとごんを抱きしめながら治の腕を掴んでいる
紅葉さんは森鴎外とは違う。むしろずっと僕の身を案じてくれていた人
外の世界だって数回連れて行ってくれた
僕にとってヘッセやエリスまでとはいかなくとも良い人だって思っていた





…………筈なのに。怖くて身体が震えてしまう
大丈夫だって云い聞かせても震えが止まらない




「________久しいな。愛しいAよ。

随分捜したぞ？ なのにこんな所におるとは……ヘッセの奴に誑かされたと云う鴎外殿の話は誠だったのか……」




『誑かされた』……？ 僕が、ヘッセに……？
森鴎外……紅葉さん達になんて説明していたかと思えば……





「…………誑かされてない……。

僕は、自分の意思でヘッセと共に逃げただけだ……！！」





治の腕を握る力とごんを抱きしめる力が強くなる
治は僕を心配そうに見つめ、優しく頭を撫でた後、立ち上がった





「彼女の事は、私に任せたまえ」




そう云って僕と敦を部屋から出した治
…………瞳に、光がなかった……

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