第二百二十一話 ページ37
〜カナside〜
あの、夏休み明けの大事件から少し経った頃。皆、普段通りの日常を送っていた。あたしら六年生は、これから街に出て実習をするんだ。
それは良いんだが、その実習の内容が女装をして、ペアと一緒に街を周り恋仲だと言われればこの実習は合格なのだ。
そして、その実習の採点や見極めを行うのはお父上。つまり、山田先生だ。お父上の女装時の姿は、何とも言えない…
それに、何故か山田先生やらお父上と呼ぶと返事をしてくれない。伝子さんと呼ばないと、返事をしてくれないという徹底ぶりなのだ。
それは構わない。構わないんだが、見た目があたしは嫌なんだ。見るとその場にいたくない程だ。
まぁ、何でお父上が採点や見極めをするのかと言うとだな、一年は組の実技の授業まではまだ何時間か時間があったため、学園長先生からの指示だったのだそう。
本当、最悪だよ。あたしは一応女だから、女装はしなくても良いんじゃないかと思ったんだ。
だけど、くじ引きで女役を引き当ててしまったんだ。女装だけはやりたく無かったんだ。あの動きにくい、女の格好をしなければいけないんだ…
それであたしのペアなんだが、これまたくじ引きで決まった。相手は、仙蔵だった。まぁ、小平太や文次郎よりはマシだ。
だって小平太とペアになれば、イケイケどんどんで、滅茶苦茶な目に合わさせる。文次郎とペアになれば、あいつは色恋沙汰とかには全く興味が無いからな。
まぁ、あたしもそうだから人の事が言えないんだが…とりあえず絶対に時間がかかってしまう事は確かだ。あたしは、出来れば早くこの実習を終わらせて、女装を解きたいのだ。
だから、仙蔵で良かったと思う。あいつなら、なるべく早くこの実習を終わらせてくれるだろうと思っている。
氷上「はぁ、早く着替えたい…」
善法寺「さっき着替えたばかりじゃないか。それくらい我慢しなよ。カナの相手は仙蔵なんだし、ラッキーじゃないか。」
あたしが、早く着替えたいと言えば、同じ様に女役のくじ引きを引き当てた伊作に我慢しろと言われた。
まぁ、相手に仙蔵が来てくれたのはラッキーと言えばラッキーなんだが…それでも、あたしは男役の方がマシなんだ!
氷上「男役をする方がまだマシだよ。」
善法寺「そ、そうなんだ…」
.
63人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*:.。. kana.。.:*(プロフ) - 勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡さん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんの事、気に入ってくださってありがとうございます°ʚ(*´˘`*)ɞ° (2023年2月12日 7時) (レス) id: b349f693ac (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - うわぁ主ちゃんの性格ドタイプですわ〜 (2023年2月12日 0時) (レス) id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
*:.。. kana.。.:*(プロフ) - わそ姉大好きリスナーさん» ありがとうございます!続きも楽しんでくださいね!ദി ᷇ᵕ ᷆ )♡ (2023年1月27日 22時) (レス) id: b349f693ac (このIDを非表示/違反報告)
わそ姉大好きリスナー - 面白かったです、(^^ω)続編に行ってきま〜す (2023年1月26日 22時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
*:.。. kana.。.:*(プロフ) - 忍たま好きさん» ありがとうございます!(*^^*) (2022年12月20日 22時) (レス) id: b349f693ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*:.。.kana.。.:* | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/a05ced32431/
作成日時:2022年7月3日 12時