弐拾 ページ36
「うーん、…あのね、小狐丸。
一緒にいたいって気持ちは嬉しいけど、今は時と場所を」
「俺がいない間お前は一体何をしてるんだ。」
「長義！良かった全然来なかったら心配したのよ？」
「……その姿で言われても説得力はないぞ。」
「？」
「＿で、さっさと離れたらどうかな？人のものに気安く触らないでくれ。」
「…っ…小狐丸？その……い、痛いんだけど」
「…誰が…誰のものですか…っ？」
「君が抱いている巫女服を着た女は俺の連れだ。言わなくともわかるだろう。
それに君達は噂されるあの本丸の刀剣男士…。早く離れてくれ。あまり関わりたくないんだ」
「……お前…まさか俺たちと同じ…」
「さあ…なんのことかな？」
「…っ。」
「小夜ちゃん？…どうしたの？」
「…名前、貴方の名前！僕に教えて…！早く！！」
「え？」
「その必要は無いだろう。君達が今更名前を聞いて神隠しをしようとしても…俺がその前に彼女を隠す術がある。」
「……ちょっと待て。
おい！あんな奴に自分の名前を言ったのか！？
俺達には一言も言わなかったってのに！」
「し、獅子王！？言ってないー！言ってないです！」
「…酷い。」
「小夜ちゃん！？な、泣かないで…っ！」
「…俺と決闘しましょう。」
「な、鯰尾まで！？なんで怒ってるのよ。」
「あんな奴に、とられてたまるか…！」
「…ふくしゅう…してやる！ふくしゅうしてやるふくしゅうしてやry」
「さ、ささ小夜様？」
「獅子王さん、…ここは俺が」
「…っ、頼んだ！
あの二人とさっさと合流して、後で応戦しに…！行くぞ！」
「なっ！？私も連行するの！？」
「＿おおっと、その心配はいらないぜ？」
「「鶴丸！」」
「鶴さん！なんで上の階に………あれ、なんで皆ここに…
！おや、君はあの時の……だから皆ここに居たんだね。」
「あ、うん。そうなんだけど…、こちらの小狐丸さん、どうにかなりませんか。
さっきから鬼みたいに怖い顔して話も全然聞いてくれないの。
…やりたくなかったんだけど……、
…光忠。手、空いてるわよね？」
「え？まあ、そうだけど…」
「小狐丸、失敬するわよ。」
トンッ
「うっ！？…ぬし……さ…ま。」
「…そういうことか。わかった。君に迷惑はかけられないからね。
それで＿そこにいる男と君はどういった関係なんだい？」
「光坊も…ただの友人、のようには見えないよな？」
「期待させて悪いんだけどこちらの方は本当に私の友達よ？」
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作者名：沙恵燬 | 作成日時：2019年2月1日 1時
