オトナノヒト 【数原龍友】

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勇気を出して、ちらって顔を上げると
ジム帰りだからか、シャワーしてから出てきたのか
髪の毛は完璧に乾いてなくて
それにいつも見る感じの顔じゃない


何が違う？セットされてない髪だから？
もしかしていつもメイクしてるのかな？

分かんない。けど
見たことない龍友くんだから


色気が増し増しだよ、龍友くん。




龍友「なに？なんか付いてる？僕の顔。そんな見られると恥ずかしいわぁ」

「ち、違う！いやなんか、いつもと雰囲気が違うなぁと思って。」

龍友「まじで？…あー、シャワーしてきたからやな」

「やっぱり、そうなんだ」

龍友「なに、僕がシャワー浴びてきたんかなぁとか考えてたん？えっちやなぁ」

「そんなんじゃないって…」



やめてよ、ってちょっと怒る私をまた笑ってる龍友くん。
それを見てまた胸がきゅーって締めつけられる


龍友「で、なんで僕が来たとこやのに帰るん？」

「えっ」

龍友「もしかして僕にすっぴん見られたくなかったとか？」



もう、龍友くんの言葉
いちいち私をドキドキさせてるよ？



「いや、眠いから帰るって言って出てきたとこだよ」

龍友「えー、絶対すっぴん見られたくなかったやろ」



それは大正解だけど、恥ずかしいから絶対言わないよ
それに、ほんとに来ると思ってなかったもん。



「ちがいますー。もう帰るもん。」

龍友「ほんまに帰るん？僕もAちゃんおると思わんかったし、ちょっと嬉しかったのに。1週間ぶりやん」



なんで、なんで
そういうことさらっと言えちゃうの



「うそだ」

龍友「いや、ほんまほんま。Aちゃんってたまに僕の言う事信じてくれへんよな。笑」

「だって…龍友くんはそういうこと誰にでも言える人でしょ？」

龍友「ないない。今のはAちゃんやから言った。」




"Aちゃんやから"

やばい。勝手に口角が上がっちゃうよ。

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