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*
────そんな時だった。
高校受験の勉強が本格化し少しずつ木々に元気がなくなってくる十一月、Aがいない、と血相を変えたAの母が家に訪ねてきた。詳しく話を聞けば志望校について三者面談で一悶着あったと。俺はすぐにAの居場所がわかった。
「────やはりここにいたか」
雨が降っていた。
「……何、杏」
「帰ろう。Aのお母さんが心配している」
「……嫌だ」
「風邪を引いてしまうぞ」
Aはいつだってここで──中央公園の丸い遊具の中で泣くのだ。君は昔からそうだった。辛いことがあると周りに心配をかけまいとここで一人で泣いていた。それを知っているのは幼馴染である俺だけだった。昔から隣にいる俺だけが知っていることだ。
────ありのままの君を知っているのは俺だけなんだ。
「何があったんだ？」
「…………私は高校生になったらアルバイトをしてお母さんとお父さんを楽させてあげたい。だから産屋敷高校には行かないっていったら、行きなさいって。お母さんたちのためなのに何で」
Aの両親は共働きで家を空けることが多かった。そんな両親をみて力になりたいと中学生にして思うAに俺は感心した。そして同時に君の優しさを改めて実感した。
俺が思うAは誰よりも優しく、その人を見ていると。だからこそ、あの時、俺がクラスに打ち解けられていない時に、最初に歩み寄ってくれたのだ。なんて、なんて素敵だ。底がない優しさを無駄に見せつけることもない誠実で謙虚な姿。俺はきっとその姿に惚れたのだ。
「Aは本当に優しいんだな」
「そんなことない」
「もう一度、ゆっくり話してみるといい。きっとAの思いが伝わる。俺はそう信じてる」
「…………杏、何でここってわかったの？」
「たまたまだ！」
「なにそれ」
────嘘だ。
君をずっと見てきて、追いかけてきたからだ。俺を救ってくれた君のためならどこへでもいく。この世の誰よりも優しいけれど、本当は少し泣き虫なありのままの君を俺は必ず見つける。
「────ありがとう」
「どうってことない」
同じ背丈だったのに俺と君の間には随分と何かが出てきてしまった。でもそれでも俺が君をおぶって帰るのは小学生の頃から何も変わらない。
そして小さく君がありがとう、といって、俺がどうってことない、というのも同じだ。更には俺らが帰る頃には必ず──雨は止む。
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三月の専属ストーカーなつめみく - れんごくさんがむせるとよもっ、って可愛すぎて一人で悶絶するわ (10月25日 16時) (
レス) @page3 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - ひよさん» ひよさん、またお会いできて本当に嬉しく思います、そしてコメントもありがとうございます(;_;)天元様と夢主のキラキラして輝く瞬間と2人の葛藤を書けていけたらな、と思っております。ゆっくりではありますがお付き合い頂けると嬉しいです！よろしくお願い致します！ (2022年5月5日 18時) (レス) id: 1ceb99e799 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 蓮さま、新作ありがとうございます!! 学校のアイドル、天元さまは似合いますね♡ 純な夢主ちゃんと天元さまの恋がどう進むのか楽しみです。更新はどうか、無理のないペースで!! (2022年4月29日 20時) (レス) @page7 id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2022年4月24日 14時
