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 ……ように見えるだけだった。


 ガシャン!と大きな音を立ててフレームにぶち当たったボールはあろうことか、私目がけて飛んで来た。そしてそのまま私の前頭部に収まった。


「ぎゃー!痛い!骨!骨折れた!」


 あまりの痛みに一瞬、我を忘れたが私は一気に青ざめた。やってしまった。一発で連続三本シュートを決める、という条件が一本目にして破られてしまった。足元に転がったボールに私の目から落ちた涙が重なった。情け無くて言葉が出なかった。ころころと転がったボールは天元くんの足にぶつかり止まった。


「立って、Aちゃん」
「え?」


 「前向いて、ボール持って」と素早く指示をする天元くんは立ち上がった私の後ろに立った。そして、ボールを持つ私の手に自分の手を添えた。


「肩の力を抜いて。腕で投げるじゃなくて身体使うんだよ。いいか、一二の三でいくぞ」


 呼吸もままならないほど近距離で、だがそんなの考えている暇などない。天元くんに言われるがまま、必死に身体を動かした。私と天元くんの手から放たれたボールは一度、バックボードにあたってからゴールに吸い込まれた。思わず、やった、と声が出たが「集中しろ」という天元くんの言葉に背筋が伸びた。
 二本目も、天元くんと呼吸を合わせた。二本目は綺麗に螺旋を描きながら空中を漂い、そしてゴールにその身を置いた。残り、残り一本だ。


「……好きな食べ物は?」
「え?」
「好きなタイプは?どんな恋がしたい?……俺はAちゃんと一緒に普通の恋がしたい。美味いもん食って、いろんなところに一緒に出掛けて、お揃いのものとかだってやりてぇ、手も繋いで、キスもして。そんな普通でいいんだ。Aちゃんとだったら普通も特別になっから」
「……天元くん」
「ラスト、集中するぞ」
「うん」


 声も指先もあんなにも震えていたのに、不思議と天元くんと一緒だからもう平気だ。私なら出来ると何故か確信した。だから、このボールに、ラスト一本に私の全てをぶつけようと思った。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 宇髄天元 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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三月の専属ストーカーなつめみく - れんごくさんがむせるとよもっ、って可愛すぎて一人で悶絶するわ (10月25日 16時) (レス) @page3 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ひよさん» ひよさん、またお会いできて本当に嬉しく思います、そしてコメントもありがとうございます(;_;)天元様と夢主のキラキラして輝く瞬間と2人の葛藤を書けていけたらな、と思っております。ゆっくりではありますがお付き合い頂けると嬉しいです!よろしくお願い致します! (2022年5月5日 18時) (レス) id: 1ceb99e799 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 蓮さま、新作ありがとうございます!! 学校のアイドル、天元さまは似合いますね♡ 純な夢主ちゃんと天元さまの恋がどう進むのか楽しみです。更新はどうか、無理のないペースで!! (2022年4月29日 20時) (レス) @page7 id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年4月24日 14時

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