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*
「よし」
────二月十四日。
昨夜は緊張で実は一睡も出来なかった。気合いを入れて、ガトーショコラと生チョコレートの二つをつくり、上品な紺と朱色のラッピングを施した。何日も何日も練習して、たくさんの試作品が出来ては食べてを繰り返し、体重が少し増えてしまった。ダイエットも頑張らないと。
そんなことよりも手汗が止まらない。指先が震えている。しかし当たり前のことではある。想い人にこれから思いを伝えるのだ。緊張しない訳がない。学校に到着すれば、随分と興奮した様子の友達二人がやって来た。
「A、あんた遂に」
「……うん」
「大丈夫？塩と砂糖間違えたとかやめてよ？」
「だ、大丈夫なはず」
「緊張しすぎワロ」
「だ、大丈夫、……痛い！」
「こりゃだめだ」
友達に言われ、更に緊張感が増した私は廊下の壁に激突してしまい、おでこが赤くなってしまった。友達二人が呆れた溜め息を零している中、私は廊下の少し先にいる彼──天元くんと目があった。私に気付いた天元くんは、手を振りながら「Aちゃん」と駆け寄って来た。
「おはよう、天元くん」
「はよ。チョコ、持って来てくれた？」
「……うん」
「……やっば、こんなに嬉しいんだな」
「美味しくなかったら、ごめんね」
「いーよ。楽しみにしてる」
照れ臭そうに鼻を指で擦りながら、天元くんは笑ってくれた。「また放課後」と、私の手をするりと撫でた天元くんは自身の教室に戻って行った。触れられた右手が熱くて熱くて堪らなかった。
「やっべー！宇髄天元やべー！なんだありゃ！リアル少女漫画か！」
「えぐいえぐいえぐいえぐい。尊い無理このカップル推すしかないわ」
野次馬、いや熱狂的ファンと化した友達二人の興奮も耳に入らず私は小さくなる天元くんの背中をずっと見つめていた。
「A、A！健闘を祈る！」
「今日の夜絶対電話して！レポ求む！」
「だめだめ！夜は二人で電話してるわよ！」
「そうだそうだ！じゃあ明日！あんた明日バイトないでしょ！」
「よっしゃ！今日のバイトのモチベだわ！余裕！」
「はあ〜〜〜〜！無理！緊張してきた！」
「んであんたが緊張すんのよ！私も緊張してっけど！」
「緊張してんじゃん！」
時間というものは、今か今かと思えば思うほど進むのが遅く感じるものだと思っていたが、そんなこともないらしい。気付けばあっという間に帰りHRが終わっていた。授業の記憶は殆どない。
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三月の専属ストーカーなつめみく - れんごくさんがむせるとよもっ、って可愛すぎて一人で悶絶するわ (10月25日 16時) (
レス) @page3 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - ひよさん» ひよさん、またお会いできて本当に嬉しく思います、そしてコメントもありがとうございます(;_;)天元様と夢主のキラキラして輝く瞬間と2人の葛藤を書けていけたらな、と思っております。ゆっくりではありますがお付き合い頂けると嬉しいです！よろしくお願い致します！ (2022年5月5日 18時) (レス) id: 1ceb99e799 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 蓮さま、新作ありがとうございます!! 学校のアイドル、天元さまは似合いますね♡ 純な夢主ちゃんと天元さまの恋がどう進むのか楽しみです。更新はどうか、無理のないペースで!! (2022年4月29日 20時) (レス) @page7 id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2022年4月24日 14時
