君に誓う2 ページ34
近藤が玄関に行くと、そこではすでに沖田と銀時が何やら話していた。
「おお、総悟!こんなところに居たのか。」
「へェ。Aの兄として、先に挨拶をしておこうと。」
「おい、マジこのシスコンどうにかしてくれよ、こんなこと言ってっけど、さっきから殺気めちゃめちゃ飛ばしてくるからね!!!」
「がはは、総悟はAを溺愛してるからなァ。
明けましておめでとう、今年もよろしく」
袴を着込んだ近藤が豪快に笑いながら頭を下げる。
銀時は静かに笑って手を上げ、「おう。こっちこそよろしくな」と軽く流して挨拶する。
「Aは準備できてる?」
「あァ、ばっちりだ」
「可愛すぎて腰ぬかしやすぜ?」
「大丈夫だよ、あいつが可愛いのなんて前から知って…、」
「銀時!!」
「………………」
屯所の奥から小走りで掛けて来たAの姿に、銀時は軽く瞳を見開く。
何だ、コレ。
何だこの可愛すぎる生き物は。
押し倒して良いのか?
「旦那ー?」
「………」
「口リコンー?」
「違ェーよ」
「あ、起きた」
沖田が目前で手を振り、初めて銀時の眼に光が戻る。
Aの姿が眩しい。
新年早々、寿命が縮まりそうな感じが…。
銀時は小さく溜息を付きながら、Aの手を取った。
「それじゃあ。A、借りてくわ」
「おお。夜、また宴会でな」
「旦那、くれぐれもAのことよろしく頼みまさァ。」
「そーちゃん、近藤さん。宴会の用意手伝えなくてごめんね。」
「気にするな、Aはいつも頑張ってるんだ。元旦くらい羽を伸ばさないとな。」
「近藤さんもこう言ってんでィ。用意は俺らに任せて、楽しんできなせェ。」
「ありがと…じゃあ、行ってきます!」
「じゃなー」
手を繋いで仲睦まじく話す二人の後姿を、腕組みしながら沖田は見つめる。
「最近の総悟は、兄ってよりも父親の顔になってきたなァ」
「………あながち、間違ってやせんよ」
近藤もまた、沖田の後ろ姿を優し気な瞳で見つめながら、彼の後について屯所の中に入っていった。
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あつぽん(プロフ) - アルハさん» ありがとうございます!!!私としてもすごく思い入れのあるこの作品についてそういうコメントいただけるのはすごくうれしいです!これからもよろしくお願いしますね(*^_^*) (2016年12月7日 11時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 1から読みました!話に引き込まれていって凄く面白かったです!!最高!!! (2016年12月3日 14時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - みゅうさん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - あつぽんさんの作品は全て読ませてもらっています!どれも面白くて大好きですっ!これからも頑張って下さいq(^-^q)応援しています(*´ω`*) (2016年8月2日 19時) (レス) id: ad4e56f403 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 月夜さん» おおおお!総悟&神威好きに出会えるとは!!わたしも大好きなので、喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)実は私の作品、神威が活躍するの多いんですよ(笑)これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年2月6日 10時