第47話 ページ3
山奥の清流で錦を織る紅葉のような深い緋と、底抜けに明るい陽の橙とが交わりあった、不純物が一切ない色。
故郷の清らかな思い出をすべて孕んだ宝石、それがお前の瞳だった。
「じゃあねー、沖田さん。また連絡してね。」
「おー…気が向いたらなァ」
ホテルの真ん前に突っ立って、灰色の空を見上げる。ああ、一雨きそうだ。
傘を差してさっさと帰り、たい。
そうは思っていても体が動かないのは、前方に現在会いたく無いヤツトップ3には入るであろう男を見つけたからだった。
(面倒クセェ……)
視界の端にちらつく銀髪なんて、放っておいてもよかった。
こちらにも、気づいていないようだったし。
それをさせないのは、俺にも少し残っていた、親心ならぬ兄心とでもいうやつだろうか。
ほら、こんなことしてるうちに、もう雨がぽつりと俺の傘にぶつかってくる。
声なんて、かけれない。
ああ、こんなことをいつまで続ければいいんだ、
男はといえばその場から動かずに、濁った空をぼうっと見つめていた。
街の中でもあり、人の流れはせわしいのに、そんな街中で一人立ち止まる男は道行く人間のかなり邪魔になっている。まあ、そんなことはどうでもいい。
(はあ……てか、ホントいつまでしてればいいんでィ……)
俺がさっさと通り過ぎればいいだけなのだが、出来ない。
そのとき、空を見つめていた男がやっと動きだした。 次の瞬間、
「あ、」
「お、」
こちらに向かってきた旦那と目があった
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あつぽん(プロフ) - アルハさん» ありがとうございます!!!私としてもすごく思い入れのあるこの作品についてそういうコメントいただけるのはすごくうれしいです!これからもよろしくお願いしますね(*^_^*) (2016年12月7日 11時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 1から読みました!話に引き込まれていって凄く面白かったです!!最高!!! (2016年12月3日 14時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - みゅうさん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - あつぽんさんの作品は全て読ませてもらっています!どれも面白くて大好きですっ!これからも頑張って下さいq(^-^q)応援しています(*´ω`*) (2016年8月2日 19時) (レス) id: ad4e56f403 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 月夜さん» おおおお!総悟&神威好きに出会えるとは!!わたしも大好きなので、喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)実は私の作品、神威が活躍するの多いんですよ(笑)これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年2月6日 10時