兄が16人 ページ20
あの場に倒れ、数日後。目を覚ましてすぐに家に帰った。
ｴﾝﾏ「兄さん!!今までどこに行ってたんだ!!どれだけ、心配したとｯ!!」
涙を必死に耐えながら俺を睨み付ける弟、エンマ。
貴「悪い。長引くとは思わなくてな。ごめんな、エンマ(ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ」
そう言って頭を撫でると、俺の胸に顔を埋めるエンマ。
ｴﾝﾏ「頼む、頼むから、もう、どこにも行かないでｪｯ!!」
泣き付くエンマ。可愛い俺の、大好きな弟。
お前には、この何十年の間できっと辛い思いをさせた。
あぁ、今、抱き締めてやりたい。だけど、ごめんな、エンマ。
貴「ﾄﾞｸﾝｯ)ｯ!!……離せ、エンマ。仕事がある。」
ｴﾝﾏ「!?にぃ、さん？」
貴「俺はジッとしている訳にはいかない。仕事を、しなきゃいけねぇ。」
そう言って歩き始める。後ろで、呆然とする弟を置いて。
貴(悪い、本当に悪いなエンマ。だが、ジットしてたら、"呑まれちまうから。")
noside
ｴﾝﾏ「にぃ、さん。兄さん、何で？何で、俺より、仕事が、大事なのかよｯ!?」
一人置いていかれたエンマは、悲しみと苦しみに支配された。
何十年も、ずっと大好きな兄に置いて行かれ、戻って来たと思えば、ゆっくり出来ず。
挙句、仕事を、優先してしまう兄に、エンマは少しばかりの殺意を覚えてしまった。
拳を握り締め、兄が去ったその場を睨み続けていれば
ﾇﾗﾘ「大王様？こんな所で何をしてるんですか？」
ｴﾝﾏ「……。」
ﾇﾗﾘ「全く、またサボる気ですね？いい加減にしてください。
少しはA様を見習ったらどうですか！」
ｴﾝﾏ「………い。」
ﾇﾗﾘ「はい？」
ｴﾝﾏ「うるさい!!俺は、俺は兄さんじゃ、"A"じゃねぇんだ!!(ﾀﾞｯ」
ﾇﾗﾘ「あ、大王様!!」
兄が消えた数十年の間、彼を苦しめたのは兄が消えたと言う事実と
兄のようになれと言ってくる周りの大人の発言だった。
"A様のようにお強くなられよ"
"A様のように賢くなられよ"
"A様のように優しくなられよ"
"A様のように民に慕われよ"
周りはAのようになれと、彼に言い続けた。
だが、そんな小さい頃から、そう言えば、子供は、なんと思う？
―俺は兄さんじゃない。俺は、俺の事を、見てくれる奴は、居ないの？―
自分を否定され、兄を評価し、あまつさえ
兄になれと言われ続けた日々は、きっと苦しいものだ。
兄が舞い戻ったあの日、エンマの心は喜びと、恨みに包まれていた。
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黒煙(プロフ) - 竜姫さん» ありがとうございます！つ、続き急いで更新しますｯ!!!!(´；ω；｀)←ネタ切れ気味 (2018年11月9日 11時) (
レス) id: a70d2690ad (このIDを非表示/違反報告)
竜姫 - とても面白いです。続きが気になります。 (2018年11月4日 10時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - 青い闇の力さん» 全力で頑張りますｯ!!!!!!!!!（あ、嬉しすぎて鼻血、舞い上がりそう〜♪←← (2018年10月14日 13時) (レス) id: db5018d5ae (このIDを非表示/違反報告)
青い闇の力 - 応援しています。!!!!!!!(( (2018年10月14日 13時) (レス) id: 1ea3b01be1 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - 青い闇の力さん» そう言って頂けてとても嬉しいです!!これからも勿論頑張らせて頂きます!! (2018年10月13日 14時) (レス) id: db5018d5ae (このIDを非表示/違反報告)
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