年下彼氏、いかがですか？【Kento.N】

○41.You side ページ41

トキヤからまたダイレクトメールが届いたのは、あの日から一週間経った夜だった。

健人からの連絡は以前として無い･･･

でも、私の頭の中にトキヤが入り込んで来たのは確かだった。


･


LINEも、電話も、メールも知らない
‘ファンとアーティスト’の関係。

そんな彼との間に、急に起こった出来事は確かに私を混乱させた。


【Aのアパートの下にいく。話したいことがある。】


「ちょっと…人使い荒すぎ！」


•


「A」


「こんばんは…」


「ちょっと話、聞いてくれる？」


「…はい。」


「Aと会ったの、何年前だっけ…。まだハタチになったばっかだったよね。ファンの1人としか思ってなかったけど。どんどん綺麗になっちゃってさ」


「……」


「でも、いくらそうでも、お気に入りのファンのコ、くらいに思ってた。10コも下だし。妹よりも下だしさ。可愛い女の子って思ってた。

でも、気づいたんだよ。解散して、Aに会えなくなって。三ヶ月だけでこんなに寂しいの、俺だけ？」


ふふっと笑う顔は、誰が見てもイケメンだと思う。
そんな彼に、口を開く。


「…トキヤさんのこと好きです…。」


言った瞬間、人が走り去る音とともに、見慣れた背中が見えた。


「けんと…「待って。…聞かせて。」


「…2週間前だったら。多分私、トキヤさんを選んでました。だって、すっごい好きだったんですもん。」


「…A」


「困ったことにハート、やられちゃったんです。(笑)」


「そっかあ…俺、惜しいことしたなあ。馬鹿だから、仕方ないか…A、ごめんね。」


わたしの頭をポンポンと撫でて、歩いていく姿を見つめる。

ありがとう…

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