年下彼氏、いかがですか？【Kento.N】

◯5.Kento side ページ5

「リカちゃん、とりあえず生ちょーだい。」


「はいはい。どうしたのよ〜A」


リカコさんにAって呼ばれたカミナリオンナさんは、差し出されたビールをごくごく飲んでぷはぁー！っと息を吐いた。


飲みっぷりいいなあ。
なんて思いつつ、見ていると苦笑したタクミさん。


「ごめんね？」


「いやいや、大丈夫っす。びっくりしたけど(笑)」


「だろ？いつもはほんわかしてるんだぜ？こう見えて(笑)」


「ちょっとタクちゃん！！！知らない人にまで変なこと吹き込まないでよね！！！」


「ひぃ〜はいはい(笑)」


ビールに夢中で俺なんか興味がないんだな〜って、ちょっとアイドル精神やられたりして。


「もー。本気で好きだったのに！！！サイテー！！！トキヤなんか死んじゃえ！！！」


って、次はそのトキヤって人に悪態つきながら、おっきい目からポロポロ涙流してさ。


何この子。おもしれぇ。


「もぅ！すぐ泣かないの！話聞くから。トキヤってあのバンドマンの？」


「リカちゃあん･･･。そう！あの！売れないバンドマン！！ちょっとイケメンだからって！！！私の2年間の恋心返してよ！！！もぉ〜」


失恋したんだね。このお姉さん。


「もういいし！こうなったらとことんジャニーズに寝返ってやる！朝から晩まで携帯小説読んでイケメンと過ごすし！！」


ふいに出てくるジャニーズの言葉に身体が反応する。
この人ジャニーズ好きなんだ。


怒ったり、泣いたり、笑ったり。
くるくる変わる表情が面白くて、自然と‘この人と仲良くなりたい’って思った。

だからかな。


「わたしはもう風磨と亮ちゃんと嵐でいいですよ！みんなのアイドル！みたいな人はもうこりごり！亀梨とか中島健人とかね！」


自分の名前が、その小さな口から解き放たれた時、無意識に動いてた。


「ねえ、その中島健人と話してみない？おねえさん。」

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