年下彼氏、いかがですか？【Kento.N】

○35.Kento side ページ35

「けんっ…！！」


キスの途中に、苦しそうに俺を呼んだAちゃんの声が頭から離れない。


なかなかリカコさんの店に来なかったことにも、知らないおじさんに色気振りまいてたのにも、勝手にイライラして。


気づいたらAちゃんの気持ちそっちのけで最低なコトをしてた。


「＿ごめん。でも、本気だから。答え、決まったら教えて。」


「……」


何か言いたげだったAちゃんの顔はわかっていたけど、答えを受け取るのが怖くて無理やりドアを閉めた。


•


「はっ？！何お前。」


「風磨……泊めて。」


「お前･･･ま、入れば」


「うん･･･ありがと。ごめんね」


「知ってる。」


何も聞いてこない風磨の優しさに感謝しかない。


あの時間に巻き戻したいようで、
でも、どこか吹っ切れてる感じもする。


「何があったのかしんねーけど･･･お前、そんな複雑に考えなくていーんじゃねーの？」


「え？」


「お前が後悔しないようにやったなら良いんだよ。」


「……」


後悔･･･


＿♩


『健人へ。話したいことがあります。都合のいい日教えてください。』


「うわ…」


「ま、なるようにしかならないんだから。がんばれよ。」


無機質に並ぶ文字が、
カウントダウンを始めた。

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