年下彼氏、いかがですか？【Kento.N】

◯29.Kento side ページ29

なんだかAちゃんには言っておかなきゃいけない気がして、あれだけ恐れていた通話のボタンをプッシュした。


「なんかあったんじゃない？大丈夫･･･？」


たったこれだけの言葉。
彼女の声は、どこまでも俺の胸に響いて甘く溶ける。

こんなに好きになってるのに、ミリアと付き合ったことを悪く言われると落ち込んでしまう俺。
心弱すぎるな。


•


「もしもし？…ミリア？」


「けんちゃん！久しぶり！この間大丈夫だった？」

「…え？」


「え？じゃないよ！知らないなんてことないよね？週刊誌のこと！」


「あ･･･うん･･･」


‘誰が撮らせたかなんて想像つくだろ’


風磨の言葉がフラッシュバックする。
いや、ミリアがそんなことするわけない。


「けんちゃん…？」


「え？あ！大丈夫大丈夫！」


「ほんと？なら良かった！」


「ミリア」


「んー？」


「俺と…分かれてください･･･」


「え･･･？･･･嘘だよね？」


「ううん。本気」


「…バカっ！！」


ツーツー…


無機質な音が耳に鳴り響く。


•


’けんと、がんばれ！’


LINEを開くとAちゃんからのメッセージ。

ふと笑みがこぼれる。
終わった。

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